今や当たり前の60度ウェッジだが、誕生したのは1987年頃。各メーカーから60度のウェッジが発売され話題になった。ウェッジの巨匠、ロジャー・クリーブランド氏が当時のウェッジ事情を考察する記事が1990年の「チョイス誌」にあったので紹介したいと思います。

画像: ロジャー・クリーブランド/1954年 カリフォルニア州ロングビーチ生まれ。名器「TA588」を世に送り出し、現在はキャロウェイのクラブデザインを行っている。

ロジャー・クリーブランド/1954年 カリフォルニア州ロングビーチ生まれ。名器「TA588」を世に送り出し、現在はキャロウェイのクラブデザインを行っている。

プロの間ではクラブは14本以内という本数規制のため、60度ウェッジはあまり歓迎されなかった。プロは56度のレギュラーSWを開いたり閉じたりして、どんな打ち方でもできるため、わざわざエキストラのウェッジをバッグに入れる必要がない――
というのが主な理由でした。

ところが、最近、ツアーでも3本のウェッジ(PW、SWとエキストラのSW)をバッグに入れるプロが増えているのです。大きな理由は50~60ヤードからでも他のクラブと同じ打ち方をしたいということです。

例えばトム・カイト。彼はパー5で、どうもいいスコアが出ていないのに気が付きました。データを調べたところ、パー5では50~60ヤードが残るケースが多く、そこからのショットが上手くいっていなかったことがわかったのです。

今までの彼は、その距離を56度のSWでハーフショットしたり、スリークォーターで打っていたわけですが、距離のアジャストが非常に難しい。そこでSWのロフトを60度に曲げ、ききすぎるバウンスを削り落して使ってみたのです。60度のエキストラSWを使い始めて、彼のパー5のスコアはグーンとよくなりました。

画像: ボーケイ Kグラインド/モデル中、最も幅が広く丸みを帯びたソールが特徴。バンカーをはじめ、バウンスを使いたい時にちょうど良いKグラインドの「K」は、トム・カイト(Tom Kite)の「K」と言われている。

ボーケイ Kグラインド/モデル中、最も幅が広く丸みを帯びたソールが特徴。バンカーをはじめ、バウンスを使いたい時にちょうど良いKグラインドの「K」は、トム・カイト(Tom Kite)の「K」と言われている。

この3本ウェッジは、アマチュアにもおすすめできます。毎日ボールを打っているプロでさえ、感覚に頼らず、どんなショットでも同じスウィングを心掛けているのですから、アマチュアは3本といわず、4本ウェッジも有効だと思います。

もし、もう1本のSWを入れるとなると、かわりに1本何か抜かなければなりません。トム・カイトの場合は2番アイアンを抜きました。そのかわりに3番アイアンのロフトをたて、4番も少しストロングロフトにセットアップしました。

アマチュアの場合、ロングアイアンを使ってグリーンを捕える確率はどれぐらいと考えますか? それよりもグリーンを外したときによりイージーな寄せができるクラブがバッグに入っていたほうが絶対に有利です。

この記事から26年……。プロのバッグには60度ウェッジが当たり前のように入っている。ロングアイアンはハイブリッドに替わりセッティングも様変わりしている。

画像: ローリー・マキロイのクラブセッティング。48、52、56、59度という4本のウェッジが入っている。

ローリー・マキロイのクラブセッティング。48、52、56、59度という4本のウェッジが入っている。

マキロイは9番アイアンの下に【46度、52度、56度、59度】。スピースも同じく9番の下から【46度、52度、56度、60度】。ジェイソン・デイは【PW、47度、52度、58度、60度】からコースによって必要なウェッジを選抜しているようだ。

PGAツアーでは「4本ウェッジ」が完全に主流となっているが、アマチュアはどうでしょう? まだ【PW、52、56】だったり【PW、52、58】という人が大半ではないでしょうか。

毎日のように球を打つプロが感覚に頼らずウェッジ4本。それに対してたま~にしかゴルフをしないアマチュアが感覚頼りのウェッジ3本。ここにもスコアがよくならない原因がありそうですね。

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