月刊ゴルフダイジェストの好評連載「振り子の教室」。パットにまつわるさまざまな疑問や悩みを、パット研究科の星谷孝幸先生が科学的な視点で解説してくれます。今回はラウンド当日の「朝のパッティング練習」の仕方。効果的な方法をほしや先生に聞きました。

Q
朝の練習グリーンでは
どんな練習をすればいい?

A
3メートルをひたすら
繰り返しましょう

3メートルぐらいが残りやすい
だから繰り返し練習する

朝の練習グリーンを見ていると、その方法はさまざまです。ロングパットを練習する人、1㍍ぐらいを繰り返し打つ人、などなど……。今回は、短い時間でより効果的に練習するための、私の考えをお伝えしたいと思います。

練習グリーンで確認しておきたいのは“速さ”です。1カ月違えばグリーンのスピードは変化しますし、刈高によっても変わります。ですから、まずは今日のグリーンがどの程度のスピードなのかをチェックしましょう。

スピードを見る、ということは、距離感をつかむことを重点的に行うということ。ですから、短いパットばかりの練習では距離感をつかめませんし、ロングパットは距離感という面ではいいのですが、ラウンド中に何回その距離を打つのかを考えれば、「時間があればやる」ぐらいに考えばいいでしょう。

画像: 3メートル前後の距離を繰り返す松山英樹

3メートル前後の距離を繰り返す松山英樹

私のお勧めは、“3メートルのパット”を繰り返すことです。3メートルなら距離感が身に付きますし、18ホール考えたときに、この距離のパットの頻度が多いことに気付くはずです。腕前にもよりますが、アプローチで1メートルに寄ることはなかなかないのでは? それよりだいたい3メートルぐらいの距離が残って、その距離のパーパットが入るか、入らないか、という勝負になっているのではないでしょうか。

ですから、朝の練習グリーンでは、3㍍の距離を上下左右、それぞれの距離感を磨いておくことが、ラウンドで一番役立つ練習になるはずです。

距離感が身に付くと
ラインの読みが正確に

ただ注意してほしいのは、ボールをカップに入れに行かないことです。入れに行っているときは、実際の距離よりもかなり強めにヒットしていることが多い。これが練習で入ってしまうと、その距離感がつかめないうちにスタートすることになってしまうんです。

よく「練習グリーンと本グリーンで、速さが違う!」という声を聞きますが、これはカップに入れる練習をしてしまった結果、オーバーの距離感で打ってしまっているケースが多い。決して練習グリーンが遅くて、本グリーンが速い、というわけではないんです。

画像: 練習グリーンでカップを狙うと、入れることが目的になりやすく、距離感に意識が向かない。あえてティやカップ大のものを狙うことで、細かな距離感が身に付きやすくなる

練習グリーンでカップを狙うと、入れることが目的になりやすく、距離感に意識が向かない。あえてティやカップ大のものを狙うことで、細かな距離感が身に付きやすくなる

カップに入れるのは、ラウンド中だけでいいんです。練習グリーンでのターゲットは何かカップ大のものでもいいですし、極端に言えばティでもいいでしょう。

そして、ここからが重要なのですが、その3㍍の目標に対して、“プラスマイナス10センチ”の距離感で打てるようになってほしいのです。「そんな難しいことできないよ」と言われそうですが、同じ3メートルを打ち続けるのですから、次第に距離感はつかめてきます。

画像: 距離感を合わせるにはストロークの安定も重要。テークバックが大きくインパクトで緩む人が多いため、後方に障害物を置いて練習するといい

距離感を合わせるにはストロークの安定も重要。テークバックが大きくインパクトで緩む人が多いため、後方に障害物を置いて練習するといい

ではなぜ、プラスマイナス10センチか。3メートルより“ちょっと長い”とか、“ちょっと弱い”という微妙な距離感が身に付くと、ライン読みが正確になってくるのです。例えば3メートルのフックライン。キャディさんから「この辺、狙ってくださいね」と言われて、そこを目がけて打ったのに、外れた経験ありませんか? 

その理由は、そのキャディさんがジャストタッチでの曲がり方を想定しているのか、あるいは30センチオーバーの距離感での曲がり方を示しているのか、ということ。30センチ距離が違えば、それだけボールスピードは変化するわけで、当然切れ方も変わってくるのです。

でもあらかじめ、プラスマイナス10センチの距離を刻んでおけば、「ジャストタッチならこのくらい切れる、ちょっと強気に行くなら切れ方はこれくらい」という判断がキャディさんに頼らなくとも正確にできるようになるのです。

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