男子ツアーと女子ツアー

今季の日程発表に先立ち、JGTOの小山和明競技運営部長が2015年を総括したが「入場者数は1試合当たり2000人減。視聴率も関東地区の日曜日で平均5・1%と0・3%減。厳しいと認識している。選手のアピール、スキルアップ、ファンサービスを盛り上げていくよう(海老沢勝二)会長から指示があった」と話した。

画像: 男子ツアーと女子ツアー

一方で、女子プロゴルフ協会(LPGA)の小林浩美会長の大きな声が、女子ツアーの雰囲気そのままだった。試合数は38試合に増え、賞金総額は史上最高の35億2000万円に達した。

もちろん、会見は笑顔。新規スポンサーとしてニッポンハムが加わり、北海道・函館で大会を開催され、初代チャンピオンが決まったばかり。日程表にも名の知れた企業が並ぶ。男女ともトーナメント規定などでふるいにかけて、主催者の「品格」を決めているが、男女で温度差があるようだ。

主催側の費用対効果は?

企業がトーナメントを主催する狙いは、ゴルフファンのみならず一般へ企業名を浸透させるブランド・PR戦略の一環だ。男子ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)、女子ツアーの日本女子プロゴルフ協会(LPGA)、シニアツアーの日本プロゴルフ協会(PGA)には、トーナメントを主催するための規定がそれぞれ設けられている。

画像: 主催側の費用対効果は?

まず大切なのが資金でトーナメント開催のために選手へ支払う賞金総額を用意すること。男子は最低賞金総額が5000万円、女子は3日間大会が5000万円、4日間大会が6000万円。現状では男子の賞金総額は1億~2億円、女子は6000万~8000万円が多い。シニアツアーになると、2日間大会からで、賞金総額は最低2000万円で開催できる。

賞金以外には、各協会に開催するための費用、主管料や認定料など、だいたい数百万円~1000万円ほど別に用意する必要がある。書類を提出して、審査を受けて、認められれば主催者になれる。

この他にも、多くの諸経費がかかってくる。費用は膨らみ、トーナメント開催のための主催者負担は賞金総額の3~5倍と言えるだろう。

開催のメリットはどこに?

トーナメント開催のメリットを聞くと「プロアマ大会の開催」を挙げる主催者が多い。プロアマ大会とは、トーナメント前日に主催者が得意先などを招待して、ツアープロと一緒に回って慰労する大会。「プロアマ大会のために主催している」という主催者もあると聞くほど、トーナメント開催の意味づけになっている。

画像: 開催のメリットはどこに?

このため、各協会も主催者が離れないようにプロアマ大会を選手たち、特に上位選手や有名選手たちの「重要な仕事」と位置づけて、出場選手などにも義務を課している。正当な理由なしに欠場すると、懲罰規定に引っかかる。主催者、協会ともプロアマ大会の成功が最重要とさえ思えるほどだ。

ということは主催者はそもそもプラスを出すためにトーナメントを行っているわけではないようだ。

次はツアーにまつわる「人」の話をお送りします。

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