ラウンドが終わり、お風呂にも入ってさあ帰ろうとフロントで料金を払う。もらった明細を見ると、プレー代、カートフィなどのほかに「諸経費」という文字がある。一体何の経費かと思ってもパッと見、わからない。そんなことから、もう一度、プレー料金を見直してみた。

FILE5 ゴルフ料金の"諸経費"って何のこと?

画像: FILE5 ゴルフ料金の"諸経費"って何のこと?

ゴルフは、プレーするためにかかる費用のほかにもお金を支払っている。基本的なゴルフ料金の内訳というと、

グリーンフィ(プレーフィ):コースを利用する入場料
カートフィ:カートを利用する費用
ゴルフ場利用税:都道府県がゴルフ場を利用するゴルファーに課す税金
ロッカー料:ロッカー使用料
キャディフィ:キャディを利用する費用
諸経費:施設利用料など
ゴルフ保険:1日限定のゴルフ保険

実はこれだけ分かれているのである。では、詳しくみていこう。

グリーンフィ(プレーフィ)

ゴルフ場を使用する料金。メンバーとビジターによって料金が変わるのが一般的。また、ビジターの場合は平日と土日祝日によって料金設定が変わる。

Q.料金はどのように決まるの?

料金を設定する際にもっとも多かったのは、「周辺のゴルフ場や立地条件を考えて」だった。

周辺のゴルフ場を参考に 47.2%
前年料金を参考に 28.3%
原価率や損益分岐点から 23.9%
これまでの来場実績から 12.2%
メンバーフィとのバランス 7.2%
前期決算の数字から 2.2%
ゴルフ場利用税のランクが変わらないように 2.2%
その他 8.8%

引用/ゴルフ場セミナー(16年4月号)

基本料金以外にも、ジュニアやシニア、レディースなど、ターゲットを絞った料金を設定するところは多いようだ。

ロッカーフィ

ロッカーの使用料。諸経費に入っていることもある。

画像: ロッカーフィ

諸経費

利用者が施設を使用する際の料金。トイレに山積みになっているタオルや風呂のバスタオルもこの料金に含まれる。ほかにも、冷暖房、その他ポーターなどの人件費等で料金が設定される。

キャディフィ

キャディさんを付ける費用。キャディフィは、細かいが制服代や通勤手当なども含まれる。近年はキャディを付けないセルフプレーも一般的になってきている。

昔は、人力のリアカーのようなものでゴルフバックを乗せていたので、キャディバッグの重量によって割増料金「重量手当」を支払うこともあった。人力で引いていたため、雨の日のプレーの場合はキャディに「荒天手当」もあった。20年くらい前までは、川奈ホテルゴルフコースや習志野カントリークラブなども手引きカートで2人用や4人用のキャディバッグを積んでいた。登りの傾斜のときは、お客と一緒に押していたという。

その後、電動やエンジン付きでバックだけを乗せるカートが普及。バックとキャディさんを乗せて移動できるカートもあったそうだ。今は、セグウェイタイプもあるが、乗りこなすには時間がかかりそうだ。

カートフィ

カートを利用する費用。昔はキャディ付が主流だったが、20年くらい前からセルフプレーが普及し始めたのをきっかけに、カートフィが生まれたとのこと。

Q.カートはなぜ左ハンドルなの?

カートが一般的に左ハンドルなのは、最初にアメリカで生まれたからである。近ごろの日本のコースではゴルフカートは右ハンドルのものも増えてきているが、かつては国産のものでもカートだけは左ハンドルのものが圧倒的に多かったようだ。

画像: Q.カートはなぜ左ハンドルなの?

これは輸入されていたアメリカの仕様をまねたものとして広まり、すでに多くのゴルファーがこのタイプに慣れていたためだ。また、左ハンドルの利点が実はもう1つあり、タイヤハウスの張り出しによるアクセルペダルの位置が右ハンドルの方が中央に寄りすぎるので操作性が悪くなる。カートはあくまでも小回りがきく幅の細いものである必要があったのだ。

ゴルフ保険

ゴルフ中のアクシデントを補償してくれる。主に自身がケガをしたとき、他人にケガをさせてしまったとき、ゴルフ用品や身の回り品が盗まれたり壊れてしまったとき、などがある。

ゴルフ利用税

利用税は、都道府県によって変わる。

平成元年に施行された「消費税」の導入までは、『娯楽施設利用税』という名称の地方税だった。その他にも、ゴルフ関連の税としてクラブ、キャディーバッグ、ボールなど用具には物品税(当初40%、後に30%に軽減)が課税されていた。

課税理由としては“贅沢品”とみなされていて、ゴルフ場や練習場でプレーする場合も、“スポーツ”という認識は無く、麻雀、パチンコと同一視され、ゴルファーには「娯楽施設利用税」がされていたのである。

現在の東京都の場合の利用税の内訳はこうだ。ちなみにゴルフ練習場はゴルフ利用税の課税対象外となっている。

各都道府県で違う。ゴルフ場のホール数や利用料金等により等級が定められいる。

利用の日ごとに下記の金額がかかります。
1級:1,200円、2級:1,100円、3級:1,000円、4級:900円、5級:800円、6級:600円、7級:500円、8級:400円

Q.等級はどのように決まるの?

東京都の場合、ホール数及びビジターの平日料金などで決まる。平日料金が高ければ税率も高くなり、安ければ税率も低くなる。

Q.非課税になるのはどんな場合?

非課税の適用を受けるためには、下記の書類を利用の際に提出又は提示する必要がある。(1の利用)運転免許証・身分証明書等年齢が証明できるもの(2の利用)障害者手帳等(3の利用)都知事が発行する証明書(4の利用)学長又は校長の発行する証明書

また、非課税の対象者は以下の通りである。

1:年齢18歳未満の方又は70歳以上の方が行うゴルフ場の利用
2:身体障害者などの方が行うゴルフ場の利用
3:国民体育大会のゴルフ競技に参加する選手が、国民体育大会のゴルフ競技として行うゴルフ場の利用
4:学校教育法第1条に規定する学校の学生、生徒等又はこれらの者を引率する教員がその学校の教育活動として行うゴルフ場の利用

Q.ゴルフ場利用税が軽減になるのはどのような場合?

では、ゴルフ場利用税が軽減になるのはどのような場合なのかというと、

1:年齢65歳以上70歳未満の方が行うゴルフ場の利用
2:1に掲げる以外の利用で利用時間について特に制限があるもの(早朝利用、薄暮利用、夜間利用など)

こちらも摘要を受けるためには、免許証や身分証明書などが必要になる。軽減が適用されると上記の税率が1/2になる。ちなみにゴルフ場の多い千葉県は、条例の規定により、県の軽減税率の認定を受けたゴルフ場に限り65歳以上70歳未満の方についてゴルフ場利用税が2分の1に軽減される。

キャンセル料ってかかるの?

これはないとは思うが、万が一、都合が悪くなってキャンセル料がかかるのかというとそうでもないらしい。

80年代後半のバブル期は、ゴルフ場も集客率のピークで、予約開始と同時にスタート枠がすべて埋まってしまうような状況だった。

また当時は、仮に当日予約をキャンセルすると、本来のプレーフィとほぼ同額の「キャンセル料」を支払わなくてはならないところが多かっため、暴風雨だろうがなんだろうが、とにかくプレーはキャンセルしないというのが普通だった。

その後、バブル崩壊とともに各コースは次々と「キャンセル料」を廃止。もちろん、少しでも予約を取りやすくするためである。現在は、ネット予約などを使った複数のコースの「仮押さえ」を抑制するため、一部コースでキャンセル料を復活させているが、概ねほとんどのコースでキャンセルに対してフィは発生しない。

ちなみに、ヨーロッパでもアメリカでも、よほどの高級リゾートでない限り、一般のゴルフ場でキャンセル料をとられることはまずないと考えてよいだろう。

以上が、ゴルフをプレーするのにかかる料金である。ゴルフ場によっては、明細にここまで表示していないところもある。今度から、明細を見比べてみるのも面白いかもしれない。

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