直木賞作家の三好徹がアマチュアゴルファーのカリスマである中部銀次郎と対談。中部のゴルフ哲学の神髄が散りばめられた対談集、【ゴルフの大事】

アマチュアとしていかにゴルフを楽しみ、心技体を磨いていくのか?その疑問に答える要素が詰まっています。

そんな本書より、アドレスでの目標の定め方に関して中部が語った部分を特別にご紹介します。

目標の右を向いて構えるから
ミスショットが出る

三好 たいがいのアベレージゴルファーっていうのは、ミスショットの原因については自ら解説できるけど、ナイスショットに関して「今のはなぜ、ナイスショットが出たんですか」って聞いても、答えられないんですよ。

中部 逆は真なり、じゃないんですか。

三好 ええ。ミスショットしたときに、「テークバックが浅かった」とか「多少グリップが甘かった」とか…そういうのは、私にも「解説」できるんです。

画像1: 目標の右を向いて構えるから ミスショットが出る

中部 ところが、ナイスショットだと解説できない、というわけですね。

三好 ええ。

中部 なるほどね。でも、そのミスショットにしたところで、本当に、何がその原因になってるかわからない、というのが現実だと思うんですよ。

三好 どうして?

中部 例えば、いま三好さんがおっしゃったように「テークバックが浅い」という理由というのは枝葉末節的なことだと、私は思うんです。

私がまずアドレス、構え方がほとんどすべてだ、といっていることが、実はそこにあるんですよ。

三好 すると、中部さんはそういうミスショットは、ほとんどアドレス、構え方にその原因があると…。

中部 そうです。「これが悪かったんだから、こうミスショットになったんだ」というのではなく、そのほとんどすべてが自分が構えた方向の悪さからくるものなんです。

ひとつの例としてやって欲しいんですが、同じアドレスで、狙う方向、ボールの位置、それを変えるだけで、ミスショットとナイスショットの両方が出るはずです。

画像2: 目標の右を向いて構えるから ミスショットが出る

三好 確かにそうですね。それはよくわかります。

中部 でしょう。たいがいの、というよりほとんどの人が、構えているときというのは、ピンや目標よりも右を向いているんですよ。右を向いて、目標に打とうとするから、これじゃナイスショットが出るはずがない。

また、そんなに極端な右を向いていないにしても、そのアローアンス(誤差の幅)の限度を超えるとミスショットになるし、アローアンス以内で構えられたときは、いいショットができるんです。

三好 では、まず目標の取り方、狙い方が悪いということですね。

中部 そうです。大きな誤解をしているのは、スタンスの向きイコール目標という考え方ですね。

構えてボールがありますね。そのボールとクラブフェースの延長線上がピンであって、スタンスの延長線上がピンではないんですよ。でも普通はスタンス、イコール目標と考える。これだとフェースとボールの延長線はピンの右を指すわけです。

視界もそうです。前傾して目標を見ると、ピンよりも左側の視界が開けて見える。だからフッカーよりもスライサーの方が楽にゴルフができるでしょう。それはスタンスしたときの視界がそれだけ広いからなんですよ。

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