みんなのゴルフダイジェスト所属プロ、中村修です。日本女子オープンを史上初のアマチュア優勝最年少で果たした畑岡奈紗選手。ドライバーの飛距離と方向性もさることながら、厳しいピンポジションでもピンを狙うキレのいいアイアンショットが印象的でした。

今週のLPGAツアー10月7日~9日で開催される「スタンレーレディスゴルフトーナメント」(東名カントリー 6,586ヤード/パー72)の練習ラウンドで撮影した6番アイアンでのショットを解説します。

スウィングの特徴は、ひとことで言うと「無駄な動きがない完成度の高い」スウィングです。腕、下半身、上半身の運動量が見事に比例しているので、振った分だけの距離を得られる方向性と縦の距離感を合わせやすいスウィングと言えます。

本人曰く「スウィングのテンポが速くなるのを気をつけています。そのために打つ前にジャンプしたり、肩をゆらして力を抜いています」とのこと。力が入るとスウィングテンポが速くなってバックスウィングが浅くなるのでしょう。自分のミスの原因を知って、それを防ぐための防止法を持っている、これは強みですよね。

アドレスでは左腕とクラブが一直線になる

ホールは谷越えのほぼフラットなパー3のティショット、クラブは6番アイアンの画像です。まず見た感じ、”どっしり”としていますね。左手のグリップはナックルが3つ見えるややフックグリップ。右手と左手の向きが平行になるオーソドックスなグリップです。

画像: アドレスでは左腕とクラブが一直線になる

左わきが締まって左腕とクラブが一直線に構えています。入射角、フェースの向きの精度が高い、アドレスでインパクトのイメージを再現しているような構えになっています。

画像: 左がアドレス右がインパクト

左がアドレス右がインパクト

バックスウィングで手元が体の正面から外れない

少しコックを入れながら始動していますが、腕はアドレスでセットした胸の前の位置をキープしています。手元が動く量と上体が動く量が比例していて、腕と体が同調しています。

画像: バックスウィングで手元が体の正面から外れない

腕で上げないコンパクトなトップ

体幹や下半身の大きな筋肉を使って作るトップの形は、腕の動きが少なくコンパクトな位置に収まっています。下半身の左サイドはボールより左側にずっとキープされています、左右に大きく体重移動をして打つタイプではなく、あくまでも体の回転でクラブを振るタイプのスウィングです。

画像: 腕で上げないコンパクトなトップ

左股関節の角度をキープしたダウンスウィング

左に踏み込んでから切り返すことで左サイドは伸び上がらずに、前傾角がキープされています。下半身と上半身の回転の差が生まれていてコックがほどけずに入射角を確保しながら、振り遅れることなく胸の前にキープされています。上半身や腕の力で打ちにいかずに、リラックスしています。

画像: 左股関節の角度をキープしたダウンスウィング

左腕とクラブが一直線のインパクト

アドレスで作った左腕とクラブが一直線がインパクトでも再現されています。下半身はしっかりと左に体重が乗って腰の回転量も十分です。帽子のつばの向きがずっと変わらずに突っ込むこともない。そのため再現性の高い正確なインパクトを迎えています。

画像: 左腕とクラブが一直線のインパクト

フォローではグリップエンドがおへそを指す

インパクト以降左ひざを伸ばす動きがクラブヘッドをスムーズに加速させています。下半身は左へ回転とともに移動しながら、頭もしくは首筋の後ろ(頸椎)の位置をキープする事で、低く長いインパクトゾーンを実現しています。アドレスで作った左わきの締めが持続したまま、腕が胸の前にキープされていて、回転に伴って右手が左手より上になってフェースはターンしています。

画像: フォローではグリップエンドがおへそを指す

クラブが縦に抜けるフィニッシュ

フォローからクラブはアップライトに抜けていき大きな弧を描いています。繰り返しになりますが、胸の前から腕が外れないので軌道が安定します。無駄な動きの少ないスウィングなのでミスの安定度は非常に高いですね。

画像: クラブが縦に抜けるフィニッシュ

腕の動きが大きく、オーバースウィングや軌道が安定しない方は、アドレスでの左わきの締まり、そのまま胸や背中を回しただけのコンパクトなトップをマネしてみてはいかがでしょう。

6番アイアンショット

解説:中村修(みんなのゴルフダイジェスト所属プロ)

This article is a sponsored article by
''.