ゴルフダイジェストとNTT西日本による「スマート光ゴルフ」は、バイタルデータをリアルタイムで解析し「ココロの見える化」を実現するサポートツール。ドラコン日本記録を持つ南出仁寛プロとクラブフィッターの鹿又芳典氏、そして「みんなのゴルダイジェスト」編集部員でプロゴルファーの中村修が、滋賀県の瀬田ゴルフコース西コースで体験してきた。

緊張? リラックス? 心の状態がスマホで見える

「スマート光ゴルフ」は、専用のアンダーウェアに内蔵されたセンサーでプレーヤーのココロの状態を読み取り、胸につけたトランスミッターを介してタブレットや専用のスマホでその状態を目で見ることができるシステム。交感神経と副交感神経のバランスや心拍数などを解析し、いま、ココロが緊張状態にあるかリラックス状態にあるか、ココロのエネルギー量である「トータルパワー」などを表示する。

画像: 瀬田GC西コースでは、「スマート光ゴルフ」利用者にセンサーを内蔵した専用のアンダーウェアが無料で貸し出される

瀬田GC西コースでは、「スマート光ゴルフ」利用者にセンサーを内蔵した専用のアンダーウェアが無料で貸し出される


デバイスの画面に表示される円グラフには、赤で交感神経が、青で副交感神経が表わされ、現在の自分のココロがどんなバランスになっているかがひと目でわかる。「スマート光ゴルフ」の開発にはツアー2勝を挙げ、順天堂大学大学院で自律神経について学んだ横田真一プロが協力しており、スマホなどのデバイスにはプレーに即した横田プロのアドバスなども表示される。

画像: 赤と青で現在のココロの状態を表わす「MENTAL BALANCE」のグラフ。赤の割合が大きければ交感神経優位で緊張状態、青の割合が大きければ副交感神経優位でリラックス状態であることを表す

赤と青で現在のココロの状態を表わす「MENTAL BALANCE」のグラフ。赤の割合が大きければ交感神経優位で緊張状態、青の割合が大きければ副交感神経優位でリラックス状態であることを表す

今回は、ドラコンプロの南出仁寛プロ、クラブフィッターの鹿又芳典氏、「みんゴル」編集部員の中村修と、ライター鈴木康介の4人でラウンド。各シチュエーションでのそれぞれのメンタル状態を見ながら、どんな場面でココロがどんな状態になっているのか、ナイスショットやミスは、それぞれどんなときに起きやすいかなどを観察した。(各ホール、ホールアウト後にはスコアとティショットの満足度を三段階評価で入力する)

画像: 左からゴルフライター鈴木康介、クラブコーディネーター鹿又芳典さん、編集部中村修、南出仁寛プロ。カートに置いてあるタブレットに全員の状態が一覧表示されるのに加え、各人が持っている専用のスマホには自分の状態がリアルタイムで表示される

左からゴルフライター鈴木康介、クラブコーディネーター鹿又芳典さん、編集部中村修、南出仁寛プロ。カートに置いてあるタブレットに全員の状態が一覧表示されるのに加え、各人が持っている専用のスマホには自分の状態がリアルタイムで表示される

実際にプレーしてみると、プレー中を通して南出プロと鹿又さん、鈴木は交感神経が優位な傾向があり、編集部中村は副交感神経が優位な傾向があることがわかってきた。

そんななか、ショートパットを外した南出プロのグラフが一気に青く(副交感神経が優位に)なったり、鹿又さんがトラブルショットの場面で緊張しグラフが赤く(交感神経優位に)なるなどの変化を、デバイスで「目で見て」知ることができた。

画像: 惜しくもバーディパットを外してガックリすると一気に副交感神経が優位になる南出プロ

惜しくもバーディパットを外してガックリすると一気に副交感神経が優位になる南出プロ

実際に「スマート光ゴルフ」を体験して、中村修はこう話す。
「自分のメンタル状態が“見える”ということが非常に新鮮で面白いですね。たとえば右サイドにOB杭が見えるティショットの場面で、タブレットを見ている人から『いまのショット、ココロが”真っ赤”になっていたよ』と言われれば、普通に打てば問題ない場面なのに強い緊張を感じていたことがわかります。そして、そのときの結果を加味したデータを蓄積していけば、『自分は少し緊張状態のほうがいいショットが出る』などという傾向がわかり、『無理にリラックスしようとしすぎないほうがいいのか』などというフィードバックにもつながります。まずは体験してみると、たくさんの発見があると思います」

「スマート光ゴルフ」を使えば」、実際にショットをする前に自分のメンタル状態がわかるため、それを改善してからプレーに臨むことができる。これを利用し、コース内で遭遇するメンタルに負荷がかかる状況で、中村プロにいくつか対処法の実験をしてもらった。

「深呼吸」は本当にメンタルに効果があるのか⁉

1つめは、パー4の2打目で、ティショットが池の手前に飛んでしまった場面。200Y近い距離が残り、しかもライが悪いため、「MENTAL BALANCE」はかなり赤が主体の緊張状態だった。

画像: 「深呼吸」は本当にメンタルに効果があるのか⁉

そこで、副交感神経の働きを高めるため、少し目をつぶって深呼吸をしたところ、メンタルが「GOOD」の状態に回復。そこで改めてショットに臨んだところ、ナイスショットが出た。

画像: 難しい状況を前に目つぶって落ち着きを取り戻すことでメンタル状態を改善しミスショットを回避

難しい状況を前に目つぶって落ち着きを取り戻すことでメンタル状態を改善しミスショットを回避

画像: ショットをする前に目をつぶって深呼吸をしたら、グラフの赤の比率が減り、心のバランスがアップ

ショットをする前に目をつぶって深呼吸をしたら、グラフの赤の比率が減り、心のバランスがアップ

ふたつめは、バンカー越えのむずかしいアプローチが残った場面。スマホを見るとココロの状態は「NOT GOOD」の表示。そこで、試しに手のひらに指で「砂」と書き、それを飲んで再度セットアップしたところ「GOOD」に(笑)。結果はナイスオンだった。”おまじない”の効果が可視化された瞬間だ。

画像: 緊張する場面ではちょっとした気分転換が効果を生む場面もあり、一方で普段どおりのルーティンも重要だ

緊張する場面ではちょっとした気分転換が効果を生む場面もあり、一方で普段どおりのルーティンも重要だ

3つめはクロスバンカー越えを狙ったティショット。当たりが悪いと越えない距離だったが、この日はプレショットルーティンを確実に行いながらプレーしたおかげで大きなミスにはならず、ナイスショットとなった。ルーティンを守ることも、ラウンド中のメンタルを安定させるには効果的だと実証された形だ。

画像: クロスバンカーの中であってもしっかりといつも通りのルーティンを取り入れることでメンタル状態を落ち着かせミスショットを防ぐことができた

クロスバンカーの中であってもしっかりといつも通りのルーティンを取り入れることでメンタル状態を落ち着かせミスショットを防ぐことができた

さらに、パー5の2打目のショットが木越えになる場面で、2オンを狙ってFWで打つか、アイアンで刻むかの選択に迷った場面では、それぞれの番手を持って構えたときのメンタルをチェック。このときは、FWを持っても「GOOD」の状態を維持できていたのでFWで2オンにトライ。結果はわずかにショートしグリーン手前で止まってしまったが、概ね成功。こういった場面でも、ひとつの指標にできる。

画像: 攻めるか刻むか判断に迷う場面だったが、FWを持ってもココロがいい状態でいられることを確認できたので、そのままトライした

攻めるか刻むか判断に迷う場面だったが、FWを持ってもココロがいい状態でいられることを確認できたので、そのままトライした

ほどよい緊張状態がいい人、リラックス状態がいい人に分かれる

「スマート光ゴルフ」を初体験し、「すごく面白かった」という南出プロに、感想を聞いてみた。
「1ラウンドしてみて、僕は基本的に赤が強めの(交感神経がやや優位な)状態が通常なんだということがわかりました。自分でも薄々気づいていたことが証明された感じがして、安心しました。これがわかったことで、『少し緊張しているな』と感じる場面でも『無理にリラックスしようとしなくていいんだ、このままでもいいんだ』と思えるというのは大きいですね。でも何より、仲間のメンタル状態をお互いに見ながら『おい、アイツ緊張してるな。ミスするぞ』とか、『いまので集中が切れたな』なんて言い合いながらプレーしたら楽しいと思いますよ」

画像: 気心の知れた仲間と、お互いのココロを覗きながらプレーするのも楽しいと南出プロ

気心の知れた仲間と、お互いのココロを覗きながらプレーするのも楽しいと南出プロ

一方の鹿又さんも、自分が交感神経優位型だったことがわかったのは収穫だったと話す。
「僕も以前から、少し緊張感があるゴルフのほうがいいプレーができることは感じていましたが、それが“見える化”されたのはとても興味深いです。これは何ラウンドか続けて試してみてデータを蓄積すればするほど、自分がどういうときにミスをするか、どういうプレーに自信があるかなどを客観的に見ることができて、どんどん面白くなっていくと思います」

画像: 少し緊張気味のプレーのほうがいい結果が出やすく、リラックスしすぎると散漫になることがデータとして視覚化できたのは収穫だと鹿又さん

少し緊張気味のプレーのほうがいい結果が出やすく、リラックスしすぎると散漫になることがデータとして視覚化できたのは収穫だと鹿又さん

今回の体験ラウンドで、「スマート光ゴルフ」がゴルフのパフォーマンス向上のために、非常に大きなポテンシャルを感じるというのは、全員の意見が一致するところ。南出プロは、パターを外すと集中が切れて一気にグラフが青く(副交感神経が強く)なる傾向があったが、「スマート光ゴルフ」を使うことで、そうならない方法を探ることができたら、メンタルのレベルは一気に上がるだろうと話す。

鹿又さんも言うように、データを蓄積することで、プレーヤーのタイプ別分類などが進めば、さらに面白くなっていくだろう。また、南出プロの言うように、エンターテインメントとしても面白いツールであることは確かだ。興味がある人は、瀬田GC西コースで体験してみよう!

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