2017年のマスターズは、ジャスティン・ローズとのプレーオフを制したセルヒオ・ガルシアの優勝で終わった。一方で、数々のドラマが生まれていた。週刊ゴルフダイジェストの特派員として現地で取材したツアー9勝の佐藤信人が、最終日18番ホールで見たマスターたちの様子を振り返った。

最後に笑みを浮かべた松山とアダム。涙でオーガスタを去ったラームとローズ

18番ホールは、選手それぞれのラストホール。グリーン上をじっと見つめていると、この日ヒーローになれなかったプロたちの、裏の姿が見えてくる。

松山英樹は、グリーン右手前から絶妙のアプローチをみせ、パー。パトロンのスタンディングオベーションに少しだけ口もとがゆるんだ。最終日はベストスコアタイの5アンダー、世界ランク4位の存在感を示した瞬間だった。

スペインの昇り龍、初出場の22歳ジョン・ラームは、スリーパットのボギー。最終日スコアを伸ばせなかった自分に腹を立てたのか、涙をぬぐいながらグリーンを去った。同郷の先輩は19回目のオーガスタで勝利を手にした。今までの自信を失くさずおごることなくここに帰ってきてほしい。

”マスター”アダム・スコットは、パーパットを打とうとしたとき、遠くからの大歓声(ガルシアの15番イーグルが決まった)に、アドレスを外した。グリーン周りのパトロンの「アダム!」の声援に、自分の日ではなかったとばかりにさわやかな笑顔を浮かべてカップインした。

画像: プレーオフを制したガルシアと抱き合うローズ(写真/姉﨑正)

プレーオフを制したガルシアと抱き合うローズ(写真/姉﨑正)

ジャスティン・ローズ。プレーオフ、自らのトラブルショットでボギーとし、バーディパットが決まった瞬間の歓喜のガルシアを讃えた。先にグリーンを去ったあと、彼女と肩を組み、赤い目のままクラブハウスのほうに帰っていった。

傾く西陽とともに、刻々と変わる18番グリーン。勝者はひとりだけ。敗者たちは、来年の舞台に向けてまたすすみはじめる。

佐藤プロとマスターズ取材を終えて……。

今回、週刊ゴルフダイジェストとともにオーガスタを見た佐藤信人プロ。情報、分析、翻訳、通訳、解説、運転となんでもこなしてくれた。

画像: 3つの顔を持つ佐藤プロ、精力的に取材中

3つの顔を持つ佐藤プロ、精力的に取材中

ツアー9勝プロだけに選手目線があり、しかし今やっている解説者目線もあり、また、ミーハー目線まで! 要はオタクなんです! 渋い選手が好きで欧州ツアーのベテラン選手のプライベートまで教えてくれ、隅っこが好きでひそかに観戦、マイナス志向で「自分は、ここに立ったらビビってチーピン」などと言う。

佐藤プロが見たマスターズは、週刊ゴルフダイジェスト4/25号(2017年4月11日発売)に詳しく載っています! ぜひチェックしてみよう。

This article is a sponsored article by
''.