いよいよ明日4月13日に幕を開ける2017年の男子ツアー。この試合には、みんなのゴルフダイジェストでもおなじみのプロゴルファー・中井学が「主催者推薦」で出場している。プロゴルファーはツアー開幕前日の水曜日をどんな風に過ごすのか、聞いてみた。

プロアマがある水曜日。多くのプロはラウンドできない!?

トーナメントは多くの場合木曜日に初日を迎えます。その前日となる水曜日は、プロアマトーナメントが開催されるのが一般的。主催企業が取引先などを招き、大会に出場するプロと一緒に回ってもらう。要は規模の大きな企業コンペとでもいうべきイベントです。試合によっては芸能人を多く招き、テレビで放映されるようなケースもあります。

ツアーのトーナメントはスポンサーイベントですから、プロアマは非常に重要なその一部。それだけに、ジャパンゴルフツアーの規定には、「プロアマ大会に出場を求められた選手は、これに出場しなければならない」とあります。

プロアマの組数はマックスで40組。これはどういうことかというと、水曜日にプレーできるのは、マックスで40人ということです。僕が出場する開幕戦・東建ホームメイトカップの出場人数は132人なので、約90人はその日コースで18ホールプレーできない、ということになります。

画像: 華やかなプロアマイベントに“呼ばれない”プロたちは、朝イチでハーフだけプレーする

華やかなプロアマイベントに“呼ばれない”プロたちは、朝イチでハーフだけプレーする

ただ、男子ツアーの場合、プロアマのスタートの前であれば、9ホールだけラウンドすることが可能です。僕の場合、水曜日の今日はアウトの9ホールだけをプレー。なぜかというと、風に悩まされるホールがアウトに多いから。インはどちらかというと風が助けてくれるイメージなのですが、東建多度カントリークラブ・名古屋は7番ホールと8番ホールがアゲンストになる場合が多いので、風の方向や強さなどをチェックしておきたかったのです。

練習日には、本番に備えて「薄く打つ」

ホールアウトしてからは、明日に備えて練習です。アマチュアの方にとっての練習は、スウィングを修正したり、ブラッシュアップするという目的があると思いますが、プロにとっては確認作業という言い方がふさわしいと思います。

というのも、プロでも週によってボールがつかまる、つかまらないといった弾道が微妙に異なるのです。「つかまらないからつかまるように修正しよう」ではなく、「どの程度つかまるか見極めよう」という感じ。コースでは狙ったところに狙った弾道が打てることがなにより大切なので、自分の調子と、“その週の球筋”を見極めておくことが大切になります。それプラス、リズムを整えるといったこともあります。

画像: プロたちにとって練習場は「確認作業」を行う場だ

プロたちにとって練習場は「確認作業」を行う場だ

練習で僕が気をつけているのは、「薄く打つ」ということ。わかりやすくいうと「トップ気味に打つ」ということです。というのも、本番になると、普段アマチュアの方に「力まず振りましょう」とレッスンしているプロたちも、どうしてもアドレナリンが出て、多かれ少なかれ力みます。力むとクラブの入射角は急角度になり、ボールはつかまる傾向になります。

プロにとって一番怖いのはショートのミスではなくオーバーのミス。グリーン奥に外してしまうとボギーになる確率が高くなるため、力んでボールがつかまるミスは極力避けたい。

なので、練習場ではそれを見越して、やや薄めに打っておく。そうすると、試合でちょうどいいインパクトを迎えられるというわけです。世界NO.1のダスティン・ジョンソンも、練習場では低いスライスばかり打っています。

強い選手ほど「練習しすぎない」

今回、僕が以前コーチをしていたあるプロから、「練習しすぎるなよ」とアドバイスをもらいました。そうなのです。長年ツアーでシードを確保している一流プロほど、疲れない程度に練習しています。手嶋多一プロのように、練習せずにホテルに帰ってしまう人もいるほどです。

画像: 練習しないプロの代表格といえば手嶋多一。ツアー通算8勝、現役最長の21年連続シードの偉業は練習しないのが理由!?

練習しないプロの代表格といえば手嶋多一。ツアー通算8勝、現役最長の21年連続シードの偉業は練習しないのが理由!?

それに対して、僕のようなスポット参戦だったり、若手の新参選手は、芝の上から打ち放題に打てる練習環境の良さと、なんとか結果を出してやろうという意気込みが相まって、ついつい練習し過ぎてしまい、ヘロヘロになってしまいがちなんです。

ゴルフにパーフェクトはありません。しかし、変に球を打ち過ぎると、ついついパーフェクトを追求したくなっちゃうんです。上手い人ほど「そこそこ」で切り上げる。トッププレーヤーが練習をサクッと切り上げる後ろ姿は「おれはココに練習ではなく試合をしに来ているんだ」と言っているかのよう。僕も、早くその境地に至りたいものです。

さて、一夜明ければ明日は大会初日。その初日を、僕らプロはどのような心境でプレーしているか。明日またお伝えしたいと思います。

This article is a sponsored article by
''.