2017年「全英オープン」を制したジョーダン・スピース。メジャー3勝目を挙げ、23歳という若さにしてキャリアグランドスラムに王手をかけた。ショット・アプローチ・パットと総合力を試されるメヤーにめっぽう強い、スピースのスウィングを解説。

方向性をつかさどる左手の甲

2017年は全米オープンの取材に行きましたが、その試合、最終日になるに連れて調子を上げてきていたのが、今回優勝したジョーダン・スピースでした。一時期調子を落としたように見えましたが、これから復活していくのだろうな、と思ったのを記憶しています。

実際、スピースは翌週のトラベラーズ選手権で優勝。今回の全英制覇につながっていきます。そのスピースの特徴といえば、圧倒的にうまいパットがひとつ。そして、決して飛ばし屋ではありませんが、ショットの精度は地球上で5本の指に入るものがあります。

では、なにがその精度をもたらしているのでしょうか。そのスウィングの特徴は、インパクト前後で左手の甲の向きが変わらないところ。左利きという要因も大きいですが、手首の角度を変えずに下半身を使ってインパクトでクラブを押し込んでいるように見えます。手首のローテーションが少ないので、必然的にフェースのローテーションも少なくなり、方向性が安定します。

画像: インパクト前後の手首の角度を変えずに押し込むから方向性はよい

インパクト前後の手首の角度を変えずに押し込むから方向性はよい

テークバックの再現

テークバックでは、まるで上に挙げたインパクトの動きを巻き戻したような動きをしています。左手の甲が目標を向くややウィークグリップで構え、左手の甲が地面を向きながら上げていく。逆に、ダウンでは左手の甲を下に向けながら下ろしています。

インパクト前後の動きとテークバックの動きを同じようにすることで、インパクトの再現性を高めているのでしょう。いわば、パターの延長線上のようなスウィングです。

画像: 左手の甲が地面を向くように始動するテークバック

左手の甲が地面を向くように始動するテークバック

スピースのスウィングは、今どきの大型ヘッドによく合う、フェースの開閉を使わないタイプ。飛距離と方向性を両立させるには、現段階で最良とも言えるスウィングと言えます。

アマチュアの方、とくにベテランの方の多くにはテークバックでフェースが開いてしまうクセがあると思います。そうしろ、と教わった人も多いと思います。そういう方で、方向性がバラつく悩みがあるならば、インパクト前後の手首の動きをイメージし、一定の角度を保ったままスウィングする意識を持って始動してみてください。再現性が高くなり、方向性の向上が期待できますよ!

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