元プロ野球選手、長谷川滋利さんがアマチュアゴルファーナンバーワンを決める試合「全米アマチュア選手権」で見事予選を突破して、本戦に挑んだ。 ストロークプレー形式の2日間の成績は「81-80」で通算21オーバーと、参加312名中296位。カットラインの4オーバーに大きく及ばず競技終了となってしまったが、 地元メディアや米大リーグMLBではニュースとして取り上げられ注目されていた。元メジャーリーガーの全米アマチュア挑戦の様子を、現地で取材した在米ゴルフジャーナリスト、アンディ和田がレポート。

予選の困難なところは「ゴルフよりも1日歩いて2ラウンドすること」

2017年大会が第117回目となる全米アマ選手権はUSGA(全米ゴルフ協会)が運営するナショナルチャンピオンシップ。アメリカ各地区、カナダ、メキシコ、プエルトリコなど合100会場で予選が行われ、7149人のゴルファーがエントリーして、246名が予選を突破。シード選手66名を加えて計312名の選手が本戦に集まっていた。

長谷川選手は7月24日カリフォルニア州ミッションビエホ会場で「69-71」、通算2アンダーで72人中2位タイという好成績で本戦の切符を奪取。本戦で使われたコースのは2コース。  毎年2月にPGAツアー競技が行われることで有名なリビエラCC(7272ヤード)と設立1925年という伝統の名門クラブ、ベルエアCC(6757ヤード、パー70)。

画像: 2017年の全米アマはPGAツアー開催コースとしても有名な「リビエラCC」(写真)と「ベルエアCC」で開催された

2017年の全米アマはPGAツアー開催コースとしても有名な「リビエラCC」(写真)と「ベルエアCC」で開催された

試合形式は36ホールのストロークプレーで、上位64人がマッチプレーに進出。その後5日間かけてマッチプレーが行われ、6回連続で勝ち上がった選手が優勝となる。決勝戦に残ったファイナリストにはメジャー戦「マスターズ」へ招待されるという特典も用意されている。

長谷川選手は初日リビエラCCのスタートホール(通常PGAツアーでパー5となる1番ホールは今回パー4設定)で2メートルのパーパットを外してしまうとその後8番でパーを奪うまで連続ボギー。  その後も4つのボギーを喫してしまいバーディなしの11オーバー「81」。 それでも今回予選を突破して本戦に出場した49歳の元MLBのオールスターピッチャーに是非話を聞きたいということでメディアセンターで異例の記者会見が開かれた。

記者会見では流暢な英語で記者の笑いを取りながら22歳でゴルフを始めたことやMLBピッチャー時代、所属していたエンゼルスやマリナーズではシーズン中でもゴルフは禁止されていなかったのでチャーター便の飛行機にはクラブをいつも乗せてプレーをしていたことなどを説明していた。

  最近5年間で真剣に競技のゴルフに取り込むようになり地元南カリフォルニアゴルフ協会のアマチュア競技やプロの大会にも(アマチュアとして)積極的に参加、全米アマには4回目の挑戦でやっと本戦に出場権を獲得したが予選の困難なところは「ゴルフよりも1日歩いて2ラウンドすることだった」と記者の笑いを得ていた。
 

夢は大きく「一度はレギュラーツアーに出てみたい」

大会2日目は距離の短いベルエアCCで巻き返しを狙うが、午後の風と乾いて速くなったグリーンや深いラフにも手こずり「80」。  2バーディーを奪うものの4つのボギーと4つのダブルボギーが響いてしまった。しかし「たとえスコアが悪くても最後までギブアップせず、諦めずに一生懸命プレーする事には自信がある」と語る長谷川選手、2日目は後半の9ホールで1オーバーと粘り強さを見せた。
 
今回の全米アマ出場者の平均年齢は22歳。若いゴルファーと比べるとスウィングのキレや腰のスピードはかなわないが、野球で蓄えられた土台となる力は通用しないレベルではない。リビエラでも難しいといわれる13番のパー4でも向かい風の中295ヤード飛ばして一緒に回った学生ゴルファーを驚かせていた。  

実際、構えてから打つまでのタイミングはとても良く、スポーツ選手ならではの決断力や思い切りの良さを備えていると感じた。また「緊張したときのリラックス方法もわかっていますから」と当時アメリカンリーグで強豪打者を怖がらずに打ち取っていった中継ぎの「シギー」は健在。

画像: 米大リーグで強豪打者を打ち取った「シギー」はゴルフでもセンスを光らせる

米大リーグで強豪打者を打ち取った「シギー」はゴルフでもセンスを光らせる

地元のLAタイムスではスポーツ欄に今回の長谷川選手の偉業を全米プロの結果報告よりも大きく扱い載せていた。過去アメリカではジョン・ブロディという元アメフトNFL選手が引退後プロゴルファーに転向してシニアツアー(現PGAツアーチャンピオンズ)で活躍、勝利を挙げたこともある。 現在はオリックス バッファローズのシニアディレクターを務めている長谷川選手は、アメリカにいるときは基本的に夕方から夜に野球の試合を見て外国人選手のチェックをしており、朝はゴルフの練習に没頭できるという。 

画像: 地元のロサンゼルスタイムスでも取り上げられた

地元のロサンゼルスタイムスでも取り上げられた

 「挑戦はいま始まったばかり。今年の秋にはPGAツアーチャンピオンズの予選会にアマチュア資格のまま挑戦したいし、来年の全米アマはペブルビーチGLで開催されるのでまた本戦に出場してからその後プロに転向したい。でも夢はソニーオープンとかこのロスの試合などPGAツアーの予選を突破して一度はレギュラーツアーに出てみたいんです」と今後のプランと夢を明かしてくれた。  

今後の長谷川選手の挑戦に注目してみたい。

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.