米ツアー2016-2017レギュラーシーズン最終戦「ウィンダム選手権」で、スウェーデンのヘンリク・ステンソンが、2016年の全英オープン以来の勝利を挙げた。驚くべきはクラブセッティングで、なんとドライバーを入れていない! それでも勝てるスウィングの秘密を、「みんなのゴルフダイジェスト」編集部員でプロゴルファーの中村修の解説でお届けします。

ドライバーをバッグから抜き、2010年発売の3番ウッドを多用

ウィンダム選手権でドライバーを抜くという一見“奇策”とも思えるクラブセッティングで勝利を手にしたステンソン。ゴルフファンの方は先刻ご承知かとは思いますが、彼はティショットで3Wを多用することで有名な選手。愛用するキャロウェイの「ディアブロオクテインツアー」という2010年発売のクラブを武器に、300ヤード近くを飛ばします。

とはいえ、もちろんドライバーを使えばもっと飛ばせるはず。それでもドライバーを抜くのは、なぜなのでしょうか?

画像: スウィングの始動のきっかけはフォワードプレスと右への体重移動

スウィングの始動のきっかけはフォワードプレスと右への体重移動

上の画像を見てください。注目すべきはティアップの高さ。かなり低くティアップしているように見えます(というか、ティアップしていないようにすら見えます)。ほとんど、地面に置いていると言っても過言ではありません。ここに、彼がドライバーを使わない理由が隠されていると私は考えます。

ドライバーは、14本のクラブのうち、高くティアップした分だけ空中にあるボールを打つ唯一のクラブです。スウィング軌道の最下点を過ぎてからクラブをボールに当てる必要があるので、アドレスでのボール位置は左足寄りになり、軌道もややアッパー軌道になります。つまり、他のクラブと“違う”入射角で振る必要があるんです。

アマチュアの方で、「今日はドライバーは調子がいいけど、アイアンが全然ダメ!」あるいはその逆といったことを経験している方は多いと思います。それを生むのがドライバーとそれ以外のクラブの入射角の違い。そのリスクをステンソンは排除しています。

わかりやすく言えば、ドライバーを抜くことで、すべてのクラブが「地面にあるボールを打つクラブ」になるわけです。もっとも長いクラブである3Wから、もっとも短いクラブであるサンドウェッジまで、基本的には同じ感覚で振ることができるようになるのだと思います。

画像: 他のクラブと同じような入射角で打てる3Wをティショットで多用する

他のクラブと同じような入射角で打てる3Wをティショットで多用する

アマチュアゴルファーのみなさんも、アイアンが好調なのにドライバーが不調という日は、思い切ってドライバーを諦め、ティショットで3Wを使ってみることをおススメします。

私自身、ドライバーをバッグから抜いたという経験はありませんが、調子の悪い日はドライバーを“封印”し、3Wでティショットしたこともあります。ドライバーが不調という日は、意外と3Wが上手く打てたりするものですよ。

This article is a sponsored article by
''.