PGAツアーで3勝を挙げたマルちゃんこと丸山茂樹。その長男、ショーン・丸山(丸山奨王、しょうおう)くんをご存知だろうか? 実はショーンくん、“ジュニアプレジデンツカップ”の世界選抜にも選ばれているトップジュニア。そんな彼が、スピース、トーマスらメジャー王者を輩出したビッグマッチに出場。その模様を、在米ゴルフジャーナリスト・アンディ和田が現地レポート!

ショーン・丸山くん、現在17歳の高校3年生

「第5のメジャー」ともいわれる「ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ」のジュニア版「ジュニア・プレーヤーズ・チャンピオンシップ」に日本人として唯一参戦したのはショーン丸山(丸山奨王)君。

丸山茂樹選手の息子、ショーンくんはアメリカ西海岸ロサンゼルス郊外に住む高校3年生(17歳)。米国最大規模のジュニアゴルフ運営団体、アメリカンジュニアゴルフ協会(AJGA)で昨年から頭角を現し、現在28位という上位ランクをキープしている。

画像: ショーン・丸山くん。やはり、お父さんの面影がある

ショーン・丸山くん。やはり、お父さんの面影がある

今回の試合では初日と2日目を「74-72」として通算2オーバー18位。 最終日は11番でイーグル、その他3バーディを奪うなどチャージを見せて「69」、通算1アンダーで78人中8位タイフィニッシュという好成績を収めた。

画像: ロゴも本大会と同じものが使われている。リーダーボードはジュニアの大会とは思えない豪華さ!

ロゴも本大会と同じものが使われている。リーダーボードはジュニアの大会とは思えない豪華さ!

PGAツアーとAJGAが協力し合って発足した同大会は2017年で10周年。過去の大会をチェックしてみると、メジャー3勝のジョーダン・スピースは2010年に1打差惜敗で2位、 ジャスティン・トーマスは2008年(38位)、2009年(26位)、そして今年全米オープンを制したブルックス・ケプカは2007年に9位だった。

上記のメジャー優勝者を含め過去15人のツアー選手がこの“ジュニア版”を経験してからPGAツアーの本大会に出場を果たしている。試合会場はもちろんあの浮島アイランドグリーンで有名なTPCソーグラス・スタジアムコース(7189ヤード、パー72)。

大会側は単にコースを提供するだけでなく、実際にツアー選手が経験するのと同じようなホスピタリティを用意してくれ、ロッカールームの使用はもちろん、コースを熟知しているハウスキャディが選手をサポート(大会側がキャディーフィを負担)。

画像: 写真をよ〜くみると、現在PGAツアーで活躍している選手の名前がゴロゴロ!

写真をよ〜くみると、現在PGAツアーで活躍している選手の名前がゴロゴロ!

コースセッティングはPGAツアーで使用されたティとカップの位置をそのまま使用(練習ラウンドは初日、3ラウンド競技は2日目から最終日同様)と徹底している。

すでに世界選抜にも内定。「もっともっとアイアンの精度を上げたい」

ショーン君は昨年6月「ウエスタンジュニア選手権」という4日間のトップランクジュニア競技で優勝。今年はジュニアゴルフ界のマスターズと呼ばれる「ジュニアインビテーショナルAtセージバレー」で7位、全米ジュニアで3回戦まで進むなど、ジュニアランクだけでなく世界アマランク(WAGR)も上昇し8月末時点でWAGR270位。

世界アマランク日本国籍保持の4番手として、10月末に行われる「アジア・パシフィックアマチュア選手権」(優勝者はマスターズに招待される)の出場権を獲得している。

加えて今年から発足した「ジュニア・プレジデンツカップ」も世界アマランク上位の資格で世界選抜の一員として参加する事が決まっている(チーム選考は2017年8月3日時点の世界アマランク上位のジュニアゴルファー)。

また来年8月にはアメリカ西海岸の名門UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のゴルフ部に入学も決まっており、今回は同部のラーキンコーチも会場入りしてショーン君のプレー振りを見守っていた。

画像: 池がらみの18番。ピンも本戦と同じ位置に切られるのだとか

池がらみの18番。ピンも本戦と同じ位置に切られるのだとか

「やはり難しいコースですが、しっかりフェアウェイに打っていけばチャンスはあると思います」と語っていたショーンくん。

名物ホールである浮島グリーンの17番ホールに関しても聞いてみると「最初に見たときはウエッジで狙うホールなのでそんなに恐怖感はないと感じましたが、実際に試合で構えるとやはり緊張しましたね」と話していた(結果はパー、パー、バーディ)。

AJGAでの試合経験については「運営はもちろん、コースコンディションなどセッティングがとても素晴らしいので良い経験を積むことができていて感謝しています。 世界各国から集まるジュニアゴルファーともいろいろな試合を通じて友達になる事ができているので楽しいです」と語っていた。

「グリーン周りの寄せ技にはそれなりに自信はありますが、もっともっとアイアンショットの精度を上げたい」としっかり自己分析をしていたショーン君。今回のTPCソーグラス(スタジアムコース)に加えて、これまで全米オープン開催のウィングドフットやホンダクラシック開催のPGAナショナルなど全米屈指の難コースで試合経験を積んでいる。試合会場では英語という言葉の壁はまったくなく仲間の輪に溶け込んでいて社交性も抜群、ツアー運営関係者からも好評判。

今月末にはプレジデンツカップのジュニア版出場を果たしスポットライトを浴びることにもなるだろうが、今後もエリートジュニア競技やトップアマ競技、そして来年夏以降はUCLAに進学し、層の厚い大学対抗戦も経験できる事になる。エリートジュニア競技→アマチュア/大学競技というルートは、近年スピースやトーマスなど若手ツアー選手が歩んできた道。

真のグローバルゴルファーとしての道をしっかりと歩み始めているショーン丸山君の今後がとても楽しみだ。

写真提供/AJGA

※週刊ゴルフダイジェスト2017年9/19号でもショーンくんのプレーぶりをレポートしています!

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