2017年日本オープンゴルフ選手権で、初日2オーバー61位と出遅れた石川遼は、2日目も2バーディ7ボギー、1ダブルボギーの77と崩れ、通算9オーバーで予選落ちとなった。その理由はなんだろう? 現地で観戦したプロゴルファー、早川佳智に「石川遼に何が起きていたのか」を聞いてみた。

難しくゴルフをしているように見えた

久しぶりに日本ツアーで石川遼を見た、という早川プロは「難しくゴルフをしているように見えた」と分析する。

「練習日の石川遼を見た先輩プロゴルファーからは『技術が上がっているし、飛距離も出ている』と聞いていました。私自身、第1ラウンドの朝、練習場でのショットを見たときはすごくいいと感じていました。しかし、いざコースに出てプレーをすると、すごく難しくゴルフをしているように見えたんです」(早川、以下同)

練習ラウンドの段階から、ショットの調子は悪くなく、それは多くのプロが認めるところだった。それだけに、9オーバーでの予選落ちには意外の感がある。その要因となった「難しくゴルフをしている」というのは、一体どういうことだろうか。

「たとえばティショットで右のラフを狙い、そこから大きなフックでフェアウェイを狙う、といった攻め方。それがすっぽ抜けたり、逆に曲がりすぎてしまったりしてラフに入ってしまうという場面がありました。セカンドショットでも、たとえばグリーンの端に切られたピンに対し、シンプルに真っすぐ狙うのではなく、やはりボールを曲げて狙うなど、難しい技を駆使して攻めようとしているように感じました」

画像: 難しいコースセッティングでも技術を駆使して攻めたが、それが裏目に出てあえなく予選落ちした

難しいコースセッティングでも技術を駆使して攻めたが、それが裏目に出てあえなく予選落ちした

具体的に「ゴルフを難しくしていた」のが、たとえば16番、502ヤードのパー4だ。

「16番は縦に細長いホールで、右のOBが非常に近い。しかし、石川はティショットを右から曲げるように攻め、フェアウェイを狙った結果、曲がりきらずに右のラフに入れていました。逆に17番ではティショットも2打目もアイアンで真っすぐに打っていて、そういうシンプルな攻め方をしたほうがよかったのでは? とも思いました」

ポイントは、石川遼の技術面が“退化”しているわけではないという点。むしろ、アプローチの引き出しの数、その技術レベルはもともと上手かった日本ツアー時代よりさらに上手くなっているという。そこで疑問となるのは、なぜわざわざ難しい攻め方を選択したのか、という点だ。

画像: アプローチの技術やバリエーションは増えているという

アプローチの技術やバリエーションは増えているという

「米ツアーを見据えているからでしょうね。だからこそ、難しいコースセッティングの日本オープンでも、あえて技術を駆使して攻めようとしていたんではないでしょうか。そういう攻め方が米ツアーでは重要なのかなと思いました。いちファンとしては石川に勝って欲しかったですが、その攻め方がコースセッティングのせいもあり、裏目裏目に出てしまったことが、予選落ちに繋がったのではないかなと思います」

あえて難しい状況に自分を追い込んでいるようにも見えたという今回の石川遼。次戦以降の立て直しに期待したい。

(2017年10月16日14時55分誤字を修正致しました)

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