2017年の女子ツアーも残りは2試合だが、最終戦は賞金ランク上位25名と2017年シーズンの優勝者しか出場できないため、来季のシード権をめぐる争いは今週開催の大王製紙エリエールレディスで終わり。2000万円の賞金を積み重ねても当確とならないほどのサバイバルレースは有名女子プロたちを巻き込んだ、大激戦の様相を呈している。

有名選手もシード落ちの危機! どうなるシード権争い?

女子ツアーは、2017年シーズン終了時点での上位50名に2018年度のシード権が与えられ、エリエールレディス終了時点での上位50名の次点者5名には、2018年ツアーの“第一回リランキング”までの出場権が与えられる。いわば50位までがフルシーズン参戦できる第一シード、55位までが前半戦のみ出場が確定する第二シードといったところ。いずれにせよエリエールレディス終了までに賞金ランク55位以内に入っていられるか否かが大切になる。

仮に賞金ランク56位以下でシーズンを終えた場合、来季の出場権を得るにはツアー出場優先順位を決める試合・ファイナルQTで上位に入る必要があり、そこでも成績が振るわなかった場合、推薦を受けたり、予選会を突破するなどでしかツアー競技に出られなくなる。シード圏内とシード圏外。そこには天地ほどの開きがあるわけだ。

画像: 東北高校で同級生だった有村智恵(賞金ランク57位)と原江里菜(同66位)もシード圏外と苦闘が続く。引退した宮里藍とは同じ高校の2年後輩だ

東北高校で同級生だった有村智恵(賞金ランク57位)と原江里菜(同66位)もシード圏外と苦闘が続く。引退した宮里藍とは同じ高校の2年後輩だ

現在の賞金ランキングを見てみると、TOTOジャパンクラシック終了時点での賞金ランキング50位はベテランの大山志保で、ここまで獲得賞金は約2238万円。55位の佐伯三貴が約1912万円となっている。

2000万円がシード獲得のひとつの目安という印象で、試合数の増加、そして4日間競技が増えたことなどで賞金額が上がったことにより、シード獲得のラインも年々高まっていることがわかる。

この戦いには、多くの有名プロも関わっている。ツアー13勝を誇る有村智恵は現在57位(約1884万円)。エリーエルレディスでは、予選通過がシード獲得への絶対条件となり、その上で賞金を積み上げたい。

昨年50位でギリギリシード圏内だった金田久美子は先週まで73位と極めて厳しい状況にいたが、伊藤園レディスで3位タイと気を吐き62位に急浮上。獲得賞金額は約1676万円で、二週連続トップテンフィニッシュとなればシードに滑り込める可能性がある。ちなみに、昨シーズン、シードギリギリ圏外の52位で辛酸を舐めた香妻琴乃が金田のすぐ下で、現在63位だ。

画像: 2年連続シード圏外の危機に直面している香妻琴乃(2017年ニチレイレディス)

2年連続シード圏外の危機に直面している香妻琴乃(2017年ニチレイレディス)

昨シーズン賞金ランク15位の松森彩夏は現在65位。同じく17位の原江里菜は66位。獲得賞金1500万円台の彼女たちは、エリエールで500万円級の賞金を稼ぐ必要がある。タイ者の数にもよるが、5位以内でフィニッシュしたいという状況だ。

怪我に不調と理由は様々だが、有名プロたちの苦戦っぷりからは、いかに現在の女子ツアーでシードを獲得するのが難しいかが見て取れる。そしてもちろん、現在ランク55位以内の選手たちにもシード圏外に落ちる危険性はある。

2016年の50位と51位の差がわずか“3万円”程度であったように(3万円の差でシードを逃した茂木宏美は、ツアーの第一線から退いた)、今年も最後までもつれることは間違いないだろう。

女子ツアーもいよいよ残り2試合。華やかな賞金女王争いに注目が集まるが、“残り1試合”のシード権獲得競争も、最後まで見逃せない展開になりそうだ。

写真/有原裕晶、大澤進二

This article is a sponsored article by
''.