木曜日に開幕する2017年のダンロップフェニックス。練習日の今日、松山英樹は中嶋常幸、石川遼と練習ラウンドを行った。昨日に比べて実戦的内容だったという練習ラウンドの模様を、現地で取材するプロゴルファー・中村修がレポート!

昨日の練習ラウンドに比べると、今日はやや実戦的といった印象で、アイアンでは積極的にピンを狙っていました。ピンを狙ったボールがどんな高さで飛び、どのように落ちてどう止まるかをじっくりたしかめていました。そして、昨日以上に念入りに、グリーン周りからのアプローチを入念にたしかめていたのが印象的でした。

画像: 松山英樹はピンを狙うショットで飛び方や止まり方を確認する実戦的にラウンドを重ねた(写真真ん中)

松山英樹はピンを狙うショットで飛び方や止まり方を確認する実戦的にラウンドを重ねた(写真真ん中)

会場のフェニックスカントリークラブは、少しグリーンを外しただけでもボールが傾斜を駆け下りてしまったりといったケースがあります。そのような状況を想定し、ラフから傾斜にワンクッションで寄せるアプローチや、ふわっと上げて止めるロブショットなどを繰り返し練習していました。

普段はオレンジ色の「ツアーAD DI」シャフトを使う松山選手ですが、エースドライバーのヘッドが割れてしまったらしく、現在は新しいものを慣らしている状態のようです。そのため、エースシャフトではなく、学生時代に使用していたツアー AD MDの青いシャフトを試すなど、タイミングを取るために試行錯誤。ちなみに結局、ラウンド中にエースシャフトに戻していました。

また、昨日は、左手首を痛がるそぶりをラウンド中に見せていましたが、今日はそのような様子は見られませんでした。全体的に、調子は「いつもどおり」といったところのように見えます。尻上がりに調子を上げて、気がつけば優勝争いの主役の座にいる。そんな「いつもどおり」のゴルフを見せてくれるのではないでしょうか。

松山選手と一緒にラウンドしていた石川遼選手ですが、個人的には最悪の状態は脱したとみています。日本オープンで見たとき、振れば53メートル/秒ほどもあったドライバーのヘッドスピードは50メートル/秒ほどに落ち着き、それに伴って弾道も安定していたように見えます。

スウィングにぎこちなさもなく、ドライバー、アイアンともにしっかりとコントロールしたショットが打てていました。先週、三井住友VISA太平洋マスターズで予選落ちした後、取り組んできた練習がハマったとのことで、まずは久しぶりにしっかりと予選を通ってもらいたいですね。

画像: このメンバーと回る緊張感の中、自分の今の状態を確認した石川遼

このメンバーと回る緊張感の中、自分の今の状態を確認した石川遼

最後に、どうしても言及しておきたいのが今年の全米オープンで松山選手と優勝争いを繰り広げたアメリカのブルックス・ケプカ。とにかく腕が太い! 全米オープンを取材したときには感じませんでしたが、日本ツアーの練習場で見ると、そのポロシャツからはち切れんばかりの二の腕は、ボディビルダーかプロレスラーかという太さ。

画像: 連覇を狙う2017年全米オープンチャンピンのB・ケプカ。

連覇を狙う2017年全米オープンチャンピンのB・ケプカ。

弾道計測器・トラックマンを使って練習していましたが、数値を見ると165ヤードと出ています。「何番アイアンで打っているの?」と質問したところ、帰ってきたのは「9番アイアンだよ」という答え。これには驚かされました。しかも、ドライバーの数値はキャリーで315ヤード。それも、思い切りクラブを振り回している様子はありません。こんな怪物メジャー王者より世界ランクで上にいるんですから、松山選手は本当にすごい。

そんなケプカも、この試合では小技が鍵を握ると分析し、アプローチやパターの練習も入念に行っていました。今週は、世界レベルのショットと寄せ技をたくさん見られる、楽しい週末になりそうです。

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