「一次面接から社長と打ちっぱなしやゴルフコースを周りながら面接を行います」というゴルファー垂涎のふれこみで人材を募集している会社があるという。どういった経緯で今回の「ゴルフ採用」に至ったのか。株式会社ワイエスシーの代表取締役社長・小泉稔氏に話を聞いた。

仕事をしながらプロゴルファーを目指したい人、来たれ!

「会社というのはだいたいピラミッド型になっていますよね。一番上が社長で、一番下が新入社員。その新入社員が顧客とやりとりをする。上から圧力をかけられていると、社員はさらに下の人たちに圧力をかけ始めます。するとどうなりますか? 新入社員は顧客をおろそかにし始めますよね。私はそれを望んでいないんです。だからうちでは逆三角形なんです。私が一番下で社員を支える。そうすれば一番上にいる新入社員は顧客のことを第一に考えられるようになる。そう思いませんか?」

そう話すのは今回「ゴルフ採用」を取り入れた株式会社ワイエスシーの代表取締役社長・小泉稔氏だ。社長が上に君臨するのではなく、社長が下から社員を支え仕組みを取り入れているという小泉氏は、会社にとって“宝”である社員に、長く働いてもらうための持続性を重視しているという。

そんな小泉氏と一次面接から打ちっぱなしやコースでゴルフをともにするという「ゴルフ採用」という発想はどこから生まれたのだろうか?

画像: 良いものはすぐにでも取り入れると小泉氏

良いものはすぐにでも取り入れると小泉氏

「株式会社サンチャレンジの岡山拓生社長の『野球採用』というのがロールモデルなんです。野球好きの人と野球をしながらコミュニケーションをとる採用方法ですね。大好きなものが共通であることで、仕事でもチームワークを持って取り組める。『これは面白い!』と思ってすぐに取り入れました。」(小泉氏)

自身もハンディキャップが7という腕前を持つ小泉氏が考えたのがこの「ゴルフ採用」だったという訳だ。たしかに、ゴルフを1日プレーすればその人がどんな人なのかはおおよそ見えるというもの。

さらに「ゴルフ採用」をする背景には、そもそも“ゴルファー”を採用したいという意図も当然のことながらあるようだ。

「プロゴルファーには優秀な人が多いのに、ツアーに出て賞金を稼げるのはほんのわずか。レッスンプロでさえ続けることが困難な場合も多く、夢を諦め実家の家業を継ぐ人や、ゴルフと関係のない会社でサラリーマンをしているという人もいる。ゴルフ業界から“排除”されているということです。私はゴルフをしたいと心から思っている人を排除はしません」(小泉氏)

さらに、その先にはゴルフ採用を通じて実現したいふたつの目標があるという。

「ひとつは企業対抗ゴルフ大会に出場することです。もうひとつは、仕事をしながらプロゴルファーになりたいという人の夢を叶えることです。大丈夫ですよ。私が支えますから(笑)」

一般の面接では、一緒に働く人の顔はなかなか見えない。だが、ゴルフという共通のスポーツでコミュニケーションをとれば、人材は宝だと言い切る小泉氏の思いも伝わるはず。採用する側される側、双方がゴルファーであるという条件はあるが、互いを見極めるには良い方法なのかもしれない。

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