冬の冷たい風が吹くときは「低い球で攻める」というのがこれまでの定説。でも、アイアンの低重心化とボールの低スピン化が進んで、無理して低い球を打つ必要がなくなった。では、どんな球筋で風に立ち向かえばいいかというと、答えは「ハイドロー」。ツアー10勝、ハイドローの申し子田中秀道にマスター法を聞いた。

インサイドアウトで振るのはもう古い

ゴルフダイジェスト編集部(以下GD):これからの季節は風に負けないように低い球を打とうとする人が多いと思いますが、低重心アイアンと低スピンボールが主流の今、強い球筋となるハイドローがいいということはありますか?

田中秀道(以下田中):大いにありますね。ただ、意図的にハイドローを打とうとすると、体の右サイドが落ちてしまうことがあるので、あまり複雑に考えずにシンプルに振るのがベストだと思いますよ。

GD:具体的な打ち方を教えてください。ドローというと、インサイドアウトに振るのが定説です。

田中:間違いとはいいませんが、それは昔のアイアンでの軌道です。下から入りやすくダフりと紙一重でした。今のアイアンではハイドローを打ちたいからといって、自分で軌道を操作しようとするのはやめたほうがいいですね。

画像: 飛球線と平行に構え、クラブをインサイドから振り下ろしてインサイドに振り抜く。自然なフェースターンが行われて、ボールがしっかりとつかまればドロー回転となる

飛球線と平行に構え、クラブをインサイドから振り下ろしてインサイドに振り抜く。自然なフェースターンが行われて、ボールがしっかりとつかまればドロー回転となる

GD:それでは、どうすれば?

田中:大事なのはクラブに振られる感覚でスウィングすること。インサイドインで丸く振れば、薄い芝のライだろうがやさしくハイドローが打てますよ。

GD:なるほど、できそうな感じがします。

田中:自分ではハイドローを意識的に打っている感覚はありません。意識しないと打てなかった昔に比べて、今は本当にやさしく打てるようになりました。

【ハイドローの打ち方】素振りの体勢のまま構えよう

「ボクが一番強調したいのは、アドレスの入り方を間違えてはいけないということです。打つ前の素振りはクラブをスムーズに振れているのに、打つ段階になるとボールの近くに立ちすぎてしまう人がとても多いのです」(田中)

窮屈な構えでは、丸く振れるはずがない。ボールの近くで往復素振りを数回して、その体勢のままでボールに近づいてアドレスをつくることを習慣づけよう。

画像: 素振りをしてからそのままアドレス

素振りをしてからそのままアドレス

ハイドローはボールがしっかりつかまるスウィングでないと打てない。ポイントはクラブを「丸く」振ること。トップとフィニッシュを往復する連続素振りを繰り返し、左右対称で振る感覚をつかもう。バックスウィングの動きやトップの形などを難しく考えなくても自然にできるようになる。

画像: アドレスからフォロー方向にいったん振り出し、そのまま戻してバックスウィング。すると、トップの位置が自然に決まり、左右対称の円軌道で振れる

アドレスからフォロー方向にいったん振り出し、そのまま戻してバックスウィング。すると、トップの位置が自然に決まり、左右対称の円軌道で振れる

冬の冷たい風にも流されずにピンを狙えるハイドローをマスターすれば、低い球の必要なし。冬もスコアを落とさずゴルフをプレーしよう。

(週刊ゴルフダイジェスト2016年12/13号より)

写真/増田保雄

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