いつもと同じ感覚で振っているつもりが、この季節になるとスライスばかり。しかも、なぜかヒールに当たる......。これは、寒さで体が硬くなり、思うように体を動かせていないことが原因らしい。今回は冬に起こりやすい「ヒールスライス」を止める方法を詳しく解説する。

大きな筋肉を使って打てるかどうか

ゴルフダイジェスト編集部(以下GD):冬になるとスライスが多く出始めるというゴルファーが増えるのですが、どうしてでしょうか。

近藤龍一(以下近藤):寒いですから筋肉が硬直して、頭のなかのイメージと体の動きが一致しにくいためです。一番起きやすいミスが体を捻転させることができず、手打ちになってカット軌道のスライスになること。これが、冬のスライスが多発する理由だと思います。

GD:体が硬いことで、手打ちになる以外にもスライスになる原因はあるのでしょうか。

近藤:スライスは飛ばないですから自然と力んでしまい、余計にスライスが助長されることがあります。これは、力みによる、上体の伸び上がりが原因によるスライスですね。

GD:大きく2つ要因があるということですね。

近藤:手打ちスライスは、カット軌道なので、弱々しい球のスライス。一方、力みによって上体が起き上がることで起こるスライスは、右へプッシュアウト気味に飛んで、そこからスライスする球筋が多いですね。

でも、両方ともに言えることは、ヒールに当たっているということ。これを解消するには、大きな筋肉を使ってスウィングすることです。スウィングの始動を、手元ではなく、左胸をねじり上げることから始めると、修正できます。

画像: “左胸”をねじり上げるようにして始動すると、大きな筋肉を使うことができる

“左胸”をねじり上げるようにして始動すると、大きな筋肉を使うことができる

手元をキープしたまま左胸をねじり上げる

では、なぜ左胸をねじり上げることで始動するとスライスが矯正できるのだろうか?  近藤プロによれば、体が硬くなると、大きな筋肉を動かしづらくなるため、腕や手先などの小さな筋肉だけでクラブを振ろうとしてしまう。一方で、始動で左胸をねじり上げるようにし、その動きに手元がつられるようにすると、大きな筋肉が使うことができて手打ちにならないのだという。

画像: 始動では左胸をねじり上げるが、手元はその場にキープ。ねじれの限界でキープした手元を開放すると、捻転の反動で一気に動き出し、トップまで振り上げられる。これにより、体全体に捻転が生まれ、手打ちを防止できる

始動では左胸をねじり上げるが、手元はその場にキープ。ねじれの限界でキープした手元を開放すると、捻転の反動で一気に動き出し、トップまで振り上げられる。これにより、体全体に捻転が生まれ、手打ちを防止できる

この記事は、週刊ゴルフダイジェスト2017年12/26号の特集「冬の大敵!『ヒールスライス』にご用心!」より。冬の朝は寒くて体が動きづらくミスが起きやすい。特集では、それを防ぐコツが満載だ。

写真/有原裕晶

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