スコアアップの近道はパット巧者になることとはよく聞く言葉。パットの専門家である星谷孝幸氏は「パターのネックに応じて打ち方が変わる」と話す。3パットを無くすためのパットのコツを著書「入っちゃう!パットの法則」からご紹介。

ネック形状が変われば打ち方が変わる

L字型、ピン型、マレット型、ネオマレット型など、パターの形は千差万別。皆さんも、好みに応じて様々なパターを愛用していると思います。

もちろん、構えやすさや打ちやすさで選ぶことは大事ですが、まずはそれぞれのパターの機能を考えていきましょう。

パターは、ヘッドそのものの形状が機能の違いに表れますが、意外と大きく影響するのがネックです。ネックがヘッドのどこにつながっているのか、あるいはネック自体の形状によって性質に違いが出ます。

その一つが、重心位置です。クランクネック(ピン型)の場合、ネック自体に重さがあるため、重心位置が手前よりの上側、いわゆる「高重心」になります。一方、ベントネック(マレット型)はシャフト自体がヘッドに直接挿されているものが多く、「低重心」になりやすい。

この違いはミリ単位ですが、それぞれの特徴を生かした打ち方を考えると、ピン型はややハンドファーストにインパクトする、マレット型はフェースの真ん中から下で打ってもいいのでアッパー軌道で振るほうが、よりボールの転がりを良くすることができるわけです。

画像: ピン型に多いクランクネック(右)はネック自体に重さがあるので高重心になりやすい。一方、ベントネック(左)はヘッドに挿さっている場合が多く低重心になる

ピン型に多いクランクネック(右)はネック自体に重さがあるので高重心になりやすい。一方、ベントネック(左)はヘッドに挿さっている場合が多く低重心になる

もう一つの違いは、重心距離です。ベントネックやセンターシャフトは、シャフト軸の延長線上に重心があるので重心距離はゼロ。クランクネック(ピン型)は、15ミリぐらい。ネックがヒール寄りに付いているようなパター(L字型)は、重心距離は長くなります。

重心距離の長いパターは、基本的にショットの感覚と近いので、フェースの開閉を使って打つタイプに向いていますし、重心位置から見てもそれがごく自然です。対して、重心距離がゼロのベントネックやセンターシャフトのパターは、真っすぐの動きで振るタイプに合います。

フェースの開閉動作を積極的に入れるとフェースが返りすぎたり返らなかったりとストロークが安定しません。元々構造的にトウ・ヒールの打点のずれに弱いタイプでヘッドが真っすぐ動きやすく、スウィートエリアの広いマレット型のようなヘッドに採用されることが多いタイプなのです。

クランクネックの重心距離は、センターシャフトとL字型のパターの中間ぐらいに当たりますので、どちらの打ち方でも臨機応変に対応できるといえます。これらの重心距離の違いを、自分の弱点を補うために使う方法もあります。

たとえば、ロングパットの距離感が合いづらい人は、重心距離が長めのパターを使うことで、小さなストロークでもフェースの開閉動作でボールが転がる距離を伸ばすことができます。芯に当たる確率も高くなるので、打点のズレによるボール初速の変化が起こりにくい、その結果、距離感が磨かれやすくなります。

「入っちゃう! パットの法則」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/有原裕晶

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