2017年にセルヒオ・ガルシアが使用してマスターズを制したこともあって、大ヒットとなったドライバー「M2」。その後継機となるクラブが発表された。その名も「M3」と「M4」。従来のフェースとまったく異なるフェースが採用されているという、革新的クラブの全貌を見てみよう。

ねじれたフェースがスライス、フックを軽減する!?

M3、ならびにM4の最大の売りは、フェース面がねじれた「ツイストフェース」にある。多くのゴルファーは、フェースのセンターではなく、フェースの「トウ側上目」や「ヒール側下目」でボールをヒットしている。そして、トウ側上目に当たるとき、フェースはクローズ(閉じた=左を向いた)状態であり、ヒール側下目に当たるとき、フェースはオープン(開いた=右を向いた)状態なのだという。

画像: テーラーメイドが調べたゴルファーの打点分布図。トウ側上目(左上)からヒール側(右下)にかけて打点が分布する

テーラーメイドが調べたゴルファーの打点分布図。トウ側上目(左上)からヒール側(右下)にかけて打点が分布する

要するに、ゴルファーはナイスショットを打つ確率は低く、チーピン(低いフック)やスライスを打つ確率が高いというわけで、アマチュアゴルファーとしては残念ながら(?)大いに納得がいく。

ツイストフェースは、その傾向を把握した上で、トウ側上目はオープンかつロフトが寝るように、ヒール側下目はクローズかつロフトが立つようにフェースをツイスト(ねじる)している。これにより、トウ側上目に当たった場合の低弾道フック、ヒール側上目に当たった場合の高弾道スライスを、それぞれ低減してくれるのだという。

画像: ツイストフェースとは、トウ側上目はフェースが開いてロフトが多く、ヒール側低めはフェースが開いてロフトが立っているフェースのこと

ツイストフェースとは、トウ側上目はフェースが開いてロフトが多く、ヒール側低めはフェースが開いてロフトが立っているフェースのこと

「2018年を境に、テーラーメイドのすべてのドライバーは、このツイストフェースを採用します」(デイビッド・エイブルズ、プレジンテント&CEO)

トップがそう語るだけあって、バルジ&ロールテクノロジー(フェース面をわずかに曲面にする、現在主流のフェース設計)に変わる、ゴルフクラブのイノベーションなのだとテーラーメイドは胸を張る。

さて、ともにこのツイストフェースが採用されたM3とM4は、従来のM1とM2の関係に相当する。つまり、M1は移動可能なウェートによる重心位置の調整が可能で、M2はその機能が搭載されていない代わりに、ミスヒットへの強さと、打感・打音の良さを併せ持っている。

画像: M3、M4の分かりやすい比較図。M3はウェートの移動が楽しそう

M3、M4の分かりやすい比較図。M3はウェートの移動が楽しそう

M3は来週開催されるPGA(米男子)ツアー「ファーマーズ・インシュランス・オープン」でタイガー・ウッズが使用予定。M4は2017年度のトーナメント優勝者だけが出場できる「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」で優勝したダスティン・ジョンソンが使用し、433ヤードのパー4であわやホールインワンというショットを放ったことで、すでに話題となっている。ちなみに、同試合で2位だった世界ランク3位のジョン・ラームもM4を使用している。

画像: 弾道調整可能なM3。ヘッドのチタン部分のカラーリングが白からシルバーに変更になった

弾道調整可能なM3。ヘッドのチタン部分のカラーリングが白からシルバーに変更になった

画像: やさしくて打感もいいM4。M3に比べトウ側にボリュームがあってつかまりそうに見える

やさしくて打感もいいM4。M3に比べトウ側にボリュームがあってつかまりそうに見える

発表会でのプレゼンテーションから受けたのは、ゴルファーが常にナイスショットするわけではないことを前提としたクラブという印象。ゴルフがミスのゲームである以上、なかなか芯に当てられない我々アマチュアゴルファーにとっても、好印象の持てるクラブと言えそうだ。

キャロウェイからは2017年最大のヒット作「エピック」の後継機的存在(実際は新シリーズ)となる「ローグ」が発表されたばかり。国内メーカーに目を向ければ、2017年12月に発売されたゼクシオ テンがセールス好調。幕を開けた2018年のドライバー春の陣、ゴルファーの嬉しい悩みはますます深まりそうな気配だ。

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