PGA(米男子)ツアー「キャリアビルダー・チャレンジ」は最終日、4ホールのプレーオフの激闘をジョン・ラームが制し、ツアー2勝目を挙げた。アリゾナ州立大でP・ミケルソンの弟にコーチを受けたというスペイン出身の23歳の強さをプロゴルファー・中村修が解説。

バックスウィング1に対してフィニッシュは3

ジョン・ラームは188センチ、体重100キロと恵まれた体形を生かした飛距離が出るゴルファー。飛ばし屋でありながら、そのスウィングはコンパクトなバックスウィングに特徴があります。

まずはトップの形を見てください。画像1のように左腕が地面と平行より少し上がった位置からダウンスウィングに入っていることがわかります。飛ばすためには大きいバックスウィングが必要だと思われがちですが、どうしてこれほどコンパクトなバックスウィングでも飛ばせるのでしょうか。

画像: 画像1:バックスウィングを上げながら左足を踏みこむことで切り返すJ・ラーム

画像1:バックスウィングを上げながら左足を踏みこむことで切り返すJ・ラーム

注目して欲しいのは、コンパクトな腕の位置に比べ、背中はしっかりとターゲットを向くくらいに回っている点です。腕の動きは最小限ながら、体幹部はしっかりとエネルギーを蓄えるようにねじらているのがわかると想います。そして、体をねじり切る寸前に左足を踏みこむことで、上半身と下半身のねじりの差(=捻転差)を生んでいます。

コンパクトなトップとは裏腹に、上半身と下半身の捻転差という飛ばしに必須の動きは十分以上に作られているんです。

画像2を見ると、踏み込んだ左足を伸ばすことで回転力を高めていることもわかります。小さいテークバックに対してフォローは実に大きくダイナミック。ボールに合わせるのではなく、フォローに向かって加速するように振り抜くことで方向性と飛距離を両立させています。

画像: 画像2:コンパクトなトップから左足の踏み込みを積極的に使いフォローを大きく振りぬく

画像2:コンパクトなトップから左足の踏み込みを積極的に使いフォローを大きく振りぬく

アマチュアゴルファーの中には、深く大きなバックスウィングを取ろうとする意識が強すぎた結果、クラブを振り上げすぎて軸がブレたり、インパクトに合わせる動きが入ってしまい、フォローが小さくなってしまう人がいます。

ラームのスウィングは、そういう人にとって大いに参考になります。バックスウィングは体に無理のない範囲でとり、左足を踏み込むことで切り返して、捻転差をつくる。そうすれば、体に負担もなく、無理なく飛ばせるはずです。

ポイントは切り返しで左足を踏み込む際、顔の向きや頭の位置をキープすることです。左足を踏み込んだと同時に頭が左へ突っ込んでしまうと、上半身も回転してしまい捻転差が作られません。どんどん強くなる世界3位の若武者を参考に、ぜひ飛距離アップにチャレンジしてみてください。

This article is a sponsored article by
''.