プロゴルファーであり、解説者でもあるタケ小山は、「目的を持ってゴルフを観戦することがスキルアップに繋がります」と話す。見るだけで上手くなる観戦術を、著書「ゴルフは100球打つより見てなんぼ!」よりご紹介しよう。

目的意識を持って観戦に行こう

やはりプロスポーツは実際に試合が行われている会場に足を運んで、生で見るのが一番です。これだけは間違いないでしょう。テレビの画面でしか見たことのないプロゴルファーだって、目の前で見れば、とても身近に感じられて、親近感も湧きます。

プロツアーは、試合が開催される週が明けた、月曜日から最終日の日曜日までの7日間がトーナメント・ウィークになります。男子ツアーを例に取ると、月曜日から水曜日は練習ラウンドとプロアマ戦が組まれ、本戦のラウンドは木曜日にスタートします。

ギャラリーが入場できるのは、基本的に本戦のラウンドだけですが、トーナメントによっては、練習ラウンドやプロアマ戦の日も入場可能な場合もあります。

実際に試合会場で観戦する場合、一番大切なことは、まず自分が何を見たいのかを、しっかり吟味しておくことです。つまり、目的意識を持って見に行こうということです。

その目的は、何でもいいのです。「好きな選手を応援したい!」でもいいし、「いろんなプロのショットを見てみたい」でもいい。「プロが戦うトーナメントのコースは、どういうセッティングになっているのかな」という目的もいいですね。

画像: 「誰の何を見たい」など目的が決まれば、おのずと観戦方法や場所は定まるはずだ

「誰の何を見たい」など目的が決まれば、おのずと観戦方法や場所は定まるはずだ

目的が決まったら、次は観戦方法です。プロの豪快なドライバーショットを見たいのであれば、ティショットの成否で2オンで狙えるパー5のティグラウンド、アプローチの技術を盗みたいなら、グリーン周りで“定点観戦”するのがいいでしょう。

また、自分と近い、もしくは目標としているプレースタイルの選手がいれば、スタートから最終ホールまで追いかける“密着観戦”という方法もいいと思います。もちろん、最終日バック9の手に汗握るガチンコ勝負が見たいのであれば、日曜日の最終組や優勝争いをしている組について回るしかありませんね。

とにかく、目的を明確にしていなければ、コースのなかをわけもわからず右往左往するばかりで楽しめないし、せっかくのスキルアップのチャンスも逃してしまい、もったいないです!

たとえば、「プロの練習方法を見たい!」という目的を持って、トーナメント観戦に行くとしたら、いつ観戦に行くのがベストだと思いますか。本戦が木曜日からだといって、木曜日や週末の土・日の朝早くから会場に行って練習を見ようとしても、それでは目的を達成できないかもしれません。

どうしてかって? もちろんプロたちは、試合のスタート前やホールアウト後にも練習はします。しかし、試合が始まると、スタート前の練習はウォームアップだけ、ラウンド後はクールダウンだけ、という微修正が主な目的になります。翌日に疲れを残さないために、練習グリーンでボールを少し転がすだけで、ラウンド後はいっさいボールを打たないプロもいます。

微調整の練習ではなく、プロの普段の練習を見たいのであれば、練習日に行くことをオススメします。ただし、前述したとおり、必ずしもすべての試合で、練習日やプロアマ戦を一般解放しているとは限らないので、事前に観戦が可能かどうか、必ず確認してくださいね。

「ゴルフは100球打つより見てなんぼ!」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/岡沢裕行

This article is a sponsored article by
''.