レギュラーツアーで30勝、現在は日本プロゴルフ協会会長を務めるレジェンド・倉本昌弘は「上手いゴルファーと強いゴルファーは違い、強いゴルファーになるためには自分を信じることが必要」と話す。レジェンドだからこそ分かる自信のつけ方を著書「本番に強くなるゴルフ」からご紹介しよう。

自分で自分を信じられるほうへ導く

強いゴルファーになるためには自分を信じられるようになる訓練が必要です。そして、これについては人によっていろいろなアプローチがあっていいと思います。「ひとつの技術を身につけるには1000球の球を打つんだ。その球数が自信を裏づける」という人もいれば、「自分には理論がない(心が弱い)から、そういうことはコーチに任せる」という人がいるかもしれません。

やり方は人それぞれでも、要は、自分が自信を持ってプレーできる環境を作り出すことが大事なのです。昔の人は、それをよく「根性」などという言葉で言い表しました。「お前は根性がないから、結果が出ないんだ。もっと根性を鍛えろ」と。

そこで滝に打たれたり、肉体的、精神的に厳しいトレーニングを繰り返したり。そういう考え方にも一理あると私は思います。今は、選手によってメンタルトレーナーをつけたりします。それで、効果が出ているケースもあれば、そうじゃないケースもある。そう考えると非科学的かもしれないですけど、昔の根性論もどこかで必要なのではないかと思うのです。

画像: 自分を信じられるようになるには様々なアプローチがある

自分を信じられるようになるには様々なアプローチがある

いずれにしても、自分で自分を信じられる方向へ持っていくことが大切です。その自信という名の山の登り方にもいろいろあります。試行錯誤しながら、暗い道を迷いながら進む人もいれば、道は暗くても真っすぐ進めばいいと信じて進める人もいる。その暗く険しい道程が、自信につながると考える人は多いわけです。

でも、一歩ずつ一歩ずつ踏み締めながら着実に登っていくけれど、最後まで頂上にはたどり着かない人もいる。すごく真面目ですごい努力をする。でも、それが報われるとは限らない。特に、我々プロの世界では、そういう人ほど結果が出ないこともある。では、ヘリコプターで行った人は過程がないからダメかというと、そうとは限らない。そこにたどり着くことで何かが見えて、降りるときに過程をたどることができたりするからです。

強いゴルファーになる方法に、これだと言い切れるものはありません。ゴルフの理論は、「技」と「体」に関しては、昔に比べてかなり改善されたと思いますが、「心」についてはまだまだなのかなとも思うのです。

「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/岩井基剛

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