試行錯誤を繰り返しても、なかなか上手くならないと嘆いている人へ。スウィングの一部分ばかり気にして、スウィングの全体像を見失っているかもしれませんよ。細部の動きからいったん離れて、「歩く」リズムで振ってみませんか? 「歩くように打つ」のカリスマ・増田哲仁プロが、迷いすっきりレッスン!

歩くリズムが一番強い

ゴルフダイジェスト編集部(以下GD):なぜ歩くリズムでスウィングするのがいいのですか?

増田哲仁(以下増田):歩くときはみなさん、無意識ですよね? 実はこれこそが自然なリズムで、自分にとって最も心地よく、ブレないリズムだからです。

GD:そのリズムをスウィングにシンクロさせるということ?

増田:そうです。本来は歩くリズムで振れるはずなのに、「インパクトはこの形」とか、「腕を使わない」など、部分的なことを意識するあまり、自然なリズムを見失ってしまう。そういったことはいったん忘れ、歩くという自然なリズムに立ち返ることで、何も考えずに振っていた頃の感覚を取り戻すことができるんです。

画像: 20秒以内の人は、速いスウィングを心がけよう。サッと上げてサッと下ろす、瞬発力でスウィングするイメージ

20秒以内の人は、速いスウィングを心がけよう。サッと上げてサッと下ろす、瞬発力でスウィングするイメージ

GD:まさに、迷ったときこそ、最適な方法なんですね。

増田:では、自分の歩くリズムが速いタイプか、ゆっくりなのか、自己診断してみましょう。まずは30歩、ふつうに歩いてみてください。そのとき、20秒以上かかる人は「ゆっくり」と判断していいでしょう。単純な方法で判断するほうが、自分のリズムを確認できるんですよ。

速いリズムの人は「かかと足踏み」でスウィング

GD:ここではリズムが速いと診断できた人のポイントを教えてもらえますか?

増田:リズムが速い人は、体の一部を小刻みに動かし続けると、自分自身が心地よいと感じる傾向があります。

GD:体の一部とは?

増田:ひざから下、特に足首を柔らかく使いましょう。アドレスに入ってもパタパタと足踏みをしてリズムを刻むのです。すると、体の動きが止まることなく、自分のリズムでスウィングできます。

画像: アドレスした状態から、少しかかとを浮かせながら、足踏みをする。この動きのまま、右かかとの着地とともにテークバック始動。スッと動きやすく、リズムがよくなる

アドレスした状態から、少しかかとを浮かせながら、足踏みをする。この動きのまま、右かかとの着地とともにテークバック始動。スッと動きやすく、リズムがよくなる

GD:スウィングの注意点はありますか?

増田:サッと上げてサッと下ろすことが心地よいと感じられるはずです。コンパクトに振ることを心がけてください。大きく振ろうとすると、その分時間がかかるので、本来のリズムからはみ出てしまう。手元を体の近くに保ち、体の入れ替えるスウィングを意識しましょう。

ゆっくりの人は“右腰”に乗せて“左腰”に乗ってフィニッシュ!

GD:ゆっくりリズムの人の注意点を教えてください。

増田:このタイプのキーワードは、ずばり「腰」です。

GD:腰ですか?

増田:意識していないとは思いますが、歩くときというのは自然に腰に体重が乗ります。右足を出せば左腰に。左足を出せば右腰に。これをそのままスウィングに当てはめるんです。バックスウィングでは右腰に体重を感じるまでゆっくり回し、フォローでは、左腰に乗せる。

画像: 腰に体重を乗せる意識を持つと、自然とゆっくり丁寧に振れるはず。最初は、素振りから。極端に大きく体を回してみよう。体重移動が体感できるはずだ

腰に体重を乗せる意識を持つと、自然とゆっくり丁寧に振れるはず。最初は、素振りから。極端に大きく体を回してみよう。体重移動が体感できるはずだ

GD:確かに、リズムが速くなると、腰に体重を感じにくくなりますね?

増田:そうです。腰に意識を持っていくことで、ゆっくりのリズムが整い出します。腰に体重を感じることができれば、クラブを大きく、遠くに振ることができるので、腰を中心とした『ゆっくりリズム』が磨かれるんです。

(週刊ゴルフダイジェスト2017年3/7号より)

写真/大澤進二

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