WGC-メキシコ選手権で連覇を目指す世界ナンバー1、ダスティン・ジョンソンがツアー屈指の飛ばし屋であることに異論を挟むものはいない。では彼は本当に世界一の飛ばし屋なのか? 検証してみた。

世界一の飛ばし屋は誰だ?

デビュー以来ジョンソンのドライビングディスタンスはトップ4を外したことがない。12年からは常に2位以内をキープしており昨季も平均315.0ヤードで2位に入っている。

画像: WGCメキシコ選手権連覇なるか?(写真:WGCブリヂストン招待2017)

WGCメキシコ選手権連覇なるか?(写真:WGCブリヂストン招待2017)

さらに昨シーズンツアーで記録されたロンゲストドライブトップ15のうち4つはジョンソンの記録で最長はブリヂストン招待でマークした439ヤード(!)だった。いったい何を食べればそんなに飛ぶんだ? といいたくなるがとにかく破格である。

ここ数年はバッバ・ワトソン、ローリー・マキロイ、ジェイソン・デイらと1位争いをしてきたジョンソン。だが今シーズンは少し様子が違っている。トニー・フィナウという怪物が異次元の距離を紡ぎ出しているからだ。

以前からフィナウの飛距離には定評があったが昨季は309.2ヤードでドライバー平均飛距離10位と思ったより控えめな数字だった。しかし今季は現時点で平均327.0ヤード。2位に7.5ヤードの差をつけ独走状態。ちなみにこの数字はツアーの平均を32ヤードも上回っている。

ドライビングディスタンスの計測がはじまった1980年には274.3ヤードをマークしたダン・ポールがナンバー1の称号を得たが、ジョン・デーリーが登場してからは彼の独壇場。それでもデーリーが平均300ヤードに到達したのはタイガーが初メジャー=マスターズに優勝した1997年のことだった。

それからおよそ20年。道具が変わりトレーニングが変わったいまフィナウはスピン量を減らしランチアングル(出球の角度)を上げ、ランに頼らずキャリーを出すスウィングづくりに取り組み平均327ヤードという飛距離を生み出した。

これは池田勇太がいう「PGAツアーで戦うにはキャリーで300ヤードが必要。高い球にリスクはないか? まったくない。メリット以外ない」という言葉に符合する。

ではフィナウこそが世界一の飛ばし屋なのか? 実は選手の間でフィナウより飛ぶ選手がいるという噂が。いったい誰? それは国内ツアーで昨年賞金王争いを演じたチャン・キムだ。

画像: 2017年シーズンは平均314.24ヤードを飛ばし、国内ツアー飛距離1位。チャン・キムの飛ばしは世界レベルだ(写真:ダンロップフェニックストーナメント2017)

2017年シーズンは平均314.24ヤードを飛ばし、国内ツアー飛距離1位。チャン・キムの飛ばしは世界レベルだ(写真:ダンロップフェニックストーナメント2017)

昨年全米オープンと全英オープンに挑戦したキムはそこでドライビングディスタンス1位争いを繰り広げており「ジョンソンやフィナウよりも飛ぶ」と評判になった。

もちろんプロゴルファーは飛距離を競っているわけではなく、いかに少ないストロークで上がるかを競っているのだから、誰が誰より飛ぶかというのはあまり問題ではない。だが飛距離がスコアメークの上で大きなアドバンテージであることは確か。

キムにはいつか日本ツアー出身の飛ばし屋としてPGAツアーで大暴れしてもらいたいものだ。

ところで最後にひとつ。フィナウは「球を真っすぐ飛ばすことより遠くに飛ばすことを先に覚えた」そう。ジュニアを持つ親御さんの参考になれば幸いです。

写真/姉崎正、岡沢裕行

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