長らくツアーで活躍し、現在は日本プロゴルフ協会の会長を務める倉本昌弘は、スウィングの基本であるワンレバーとツーレバースウィングができれば、グリーン周りのほとんどの状況から寄せられると話す。著書「本番に強くなるゴルフ」から“強いゴルファー”になるためのエッセンスをご紹介。

ワンレバー&ツーレバーはずっと続けて練習する

ワンレバースウィング(時計の文字盤の8時から4時の振り幅)とツーレバースウィング(9時から3時の振り幅)。このふたつのスウィングを練習することによって、スウィングの基本が身についてきます。このスウィングの延長に、フルスウィングがあるのです。ただ、スウィングが大きくなれば、当然体重移動も必要になるし、脚だって使うようになります。その感覚を身につけるためには、足踏みをしながらワンレバースウィング、ツーレバースウィングをするとよいでしょう。

アドレスしたその場で小さく足踏みをしながら、右足を踏んでバックスウィング、左足を踏んでダウンスウィングして、これを繰り返します。そうすることによって、下半身の使い方が身につくとともに、スウィングのリズムや流れをよくなるし、体重移動の感覚も自然につかめるようになるのです。初めは素振りから。慣れてきたら球を打ってみてください。誰かに球を置いてもらって連続で打つのもいいでしょうし、球を何個か並べておいて、歩きながら次々に打っていくのもいい練習になると思います。

脚を使わないワンレバー、ツーレバーは基本。脚を使って打つワンレバー、ツーレバーは応用です。私は基本が大事だと考えていますが、練習をするときには、遊び感覚で色々な動きやショットを試すことも大切です。実践の中では絶対にやらないようなショットも、練習場ではやっておく。そうすることによって自然にボールをコントロールする感覚、自分の体をコントロールする感覚が磨かれてくるからです。

画像: ワンレバーとツーレバーができれば、グリーン周りのほとんどのアプローチに対応できる

ワンレバーとツーレバーができれば、グリーン周りのほとんどのアプローチに対応できる

また、このワンレバー、ツーレバーができれば、グリーン周りのほとんどの状況から、ピンに寄せられるようになるということも知っておいてください。たとえば、同じワンレバースウィングでも、9番を使えば、2メートルキャリーして、8~9メートル転がる。それば7番になれば、同じスウィングで2メートルキャリーさせたらもう少し転がるし、SWを使えば落ちてからほとんど転がらない。

そうやって、2つのスウィングで、いろいろな番手を使えば、グリーン周りのほとんどの状況からピンに寄せることができるのです。スウィングの基本を練習すれば、スウィングがよくなるだけでなく、アプローチにも効果がある。それだけ効率よく上手くなれるというわけです。

さて、私はワンレバースウィング、ツーレバースウィングを極めろ、と言っているわけではありません。あくまでも、この2つのスウィングは奥が深くて、それをわかった上で練習することが大切だということです。動き、リズム、切り返しなど、質を高める意識で練習することによって初めて、大きなスウィングの質を高めることができるということを知ってもらいたいと思います。

また、この2つのスウィングは、できるようになればいいというものではありません。普段の練習、ラウンド前や後など、ゴルフを続ける限り、ずっと続けて欲しいのです。それが基本を大切にするということであり、結果としてゴルフの上達を早めるということを忘れないでください。

「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/渡部義一、岩井基剛

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