いよいよ今週はマスターズ。過去二度マスターズを制しているバッバ・ワトソンも、優勝候補の一人だ。「曲げて攻める」のが持ち味のバッバは今季すでに2勝と、昨年までとはうって変わって好調をキープ。その背景にあるものを、プロゴルファー・中井学が分析した。

ボール選びが、すべてのプレーの基準となる

いよいよ今週末にマスターズが開催されますね。有力候補はたくさんいますが、過去マスターズで2勝しているバッバ・ワトソンが最近乗りに乗っています。昨シーズンは出場回数22回で0勝、トップ10も4回と振るわなかったワトソンですが、今季はジェネシス・オープンで勝利を収めると、WGCデル・テクノロジーズ・マッチプレー選手権でも勝利を挙げています。

この好調の背景には、ボール契約の変更があると言われます。バッバは昨年末にボール契約が終了となり、マスターズ2勝を支えたタイトリストの「プロV1x」に使用ボールを戻しました。

画像: タイトリスト「プロV1x」にボールを戻し、ジェネシス・オープン2018の優勝を決めた

タイトリスト「プロV1x」にボールを戻し、ジェネシス・オープン2018の優勝を決めた

バッバのゲームの生命線はスライスボールにあります。ストレートボールではなく、曲げてボールをコントロールするタイプ。去年までバッバが使用したボールは、打感が柔らかくて飛ぶと評判ですが、彼にとってはつかまりすぎるボールだったのかもしれません。

もちろん、どのボールがよくてどのボールが悪いという話ではありません。誰かにとってベストのボールが、他の誰かにとってベストとは限らず、逆もまた真なり。ワールドカップなど、ひとつのボールを二人のプロが交互に打つダブルス形式の試合では、プロ同士どちらの使用ボールを使うかで一悶着あるのが常ですが、それだけプロにとって使い慣れたボールというのは重要なんです。

一方、今季いきなり結果を出した「プロV1x」の特徴は、逆球(狙った球筋と逆方向に曲がるミス)が出ないこと。また、長年使ってきたことから、高さや打ち出し方向などが、自分の思い描いたイメージとピタリと合うことも重要です。

マスターズに2度勝ったときのボールに戻し、今年2勝を挙げているバッバの姿は、ボール選びがどれだけ重要かを物語ります。

ところで読者のみなさんは「マイボール」が決まっているでしょうか? プレーのたびにボールが違う、あるいはOBを打って次のボールは別の銘柄……なんていうのでは、飛距離はもちろん、球の高さ、アプローチの距離感、パターの距離感など、すべてが定まりません。

それなのに、アマチュアのゴルファーのなかでボールにこだわりを持つ人は少ない。プロでさえ使い慣れないボールでのプレーはスコアが振るわないのですから、それがアマチュアでは、もはやスコアを出したくないのか、くらいに感じてしまいます。

曲がりの幅だって、同じクラブ、同じインパクトを迎えても、ボールで大違い。高いか安いか、飛び系か、スピン系かは問いません。なんでもいいから「マイボール」を決めること。それがスコアメークには非常に重要なんです。

写真/姉崎正

This article is a sponsored article by
''.