2018年国内女子ツアーの第7戦目KKT杯バンテリンレディスオープンを優勝したのは、最終日首位と4打差の12位タイでスタートした比嘉真美子。“11人抜き”の大逆転劇を生んだスウィングを、みんなのゴルフダイジェスト編集部員であり、プロゴルファーの中村修が分析。

“真ん中軸”で回し続ける回転スウィンガー

比嘉真美子選手といえば、今シーズンのパーオン率が73.0556%でトップであることからも分かる通り、ツアー屈指のショットメーカーとして知られます。飛距離もよく出て、小技も上手い。パットさえかみ合えば、常に優勝争いに顔を出してくる実力者です。

画像: ツアー7戦目にして早くも今季初勝利を挙げた比嘉(写真/大澤進二)

ツアー7戦目にして早くも今季初勝利を挙げた比嘉(写真/大澤進二)

そんな比嘉プロのスウィングですが、ショットメーカーの多くがそうであるように、見た目にも非常に美しく、ダイナミックです。

まずトップからの切り返しの写真を見てください。このとき、左足に体重移動するタイプ、右足に体重をかけて右軸で振るタイプといますが、彼女の場合両ひざの角度がやや深くなっており、スタンスの真ん中あたりを軸に回転するタイプと言えます。

画像: 写真1.スタンスの“真ん中”で回転するスウィング(写真/2018年のヤマハレディースオープン葛城 撮影/有原裕晶)

写真1.スタンスの“真ん中”で回転するスウィング(写真/2018年のヤマハレディースオープン葛城 撮影/有原裕晶)

スタンスの中心で回転するタイプであることは、イコール体の回転力で打つタイプのスウィングであるということ。バックスウィングでは左を向いているベルトのバックルが、切り返し直後には正面に向いていることからも、それが見て取れます。

画像: 写真2.下半身を回し続けてインパクト

写真2.下半身を回し続けてインパクト

続いて、写真2をみてください。切り返しで下半身が先行して動くことで捻転差が生まれ、下半身が上半身を引っ張るように、ダウンスウィングへと以降しています。その間も下半身は止まらず動き続けているのがわかります。

この写真からは分かりませんが、このようなスウィングの結果、インパクトではアッパーブローでも、ダウンブローでもなく、ボールをレベルにとらえています。このことは、スピン量を安定させ方向性と飛距離を両立させる重要な要素と言えます。

絶不調から立ち直り、ツアー屈指のショット力を取り戻した比嘉選手。今回の勝利で鈴木愛選手に続き、日本のエース候補に名乗り出た格好です。今シーズン、賞金女王争いにまで絡んでくる可能性が、大いにあるのではないでしょうか。

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