女子ツアーの二部にあたるステップアップツアーの開幕戦を制した19歳の原英莉花。尾崎将司率いるジャンボ軍団の一員として、ジャンボの直接指導を受ける期待の若手だ。7位に入ったレギュラーツアー「サイバーエージェントレディス」では3日間の平均飛距離が255ヤードを記録するなど、ジャンボ譲りの飛ばしも見せてくれた。ポテンシャル十分の原のスウィングを、みんなのゴルフダイジェスト編集部員であり、プロゴルファーの中村修が解説。

そのダウンスウィングは、タイガー・ウッズをも思わせる

初めて原選手のスウィングを見たのは、今年の1月のこと。ジャンボ尾崎さん主催のジュニアクリニックの会場でのことでした。子供たちの前でデモンストレーションを行った原選手のスウィングは、非常に印象的なものでした。

身長173センチの恵まれたモデルのような体型。ダイナミックなスウィング。そして放たれた弾道は、男子プロを思わせるような高初速・高弾道でした。ステップアップツアー開幕戦で勝ったのはお見事ですが、プロで勝つポテンシャルは初めから備えていたと言えます。

画像: 今年はステップアップツアーで優勝。レギュラーでも3試合に出場し予選落ちは1回でトップテン入りもするなど、頭角を現している

今年はステップアップツアーで優勝。レギュラーでも3試合に出場し予選落ちは1回でトップテン入りもするなど、頭角を現している

その大きな特徴は173センチの長身を生かしたスウィングアークの大きいダイナミックなスウィングです。中でもトップからの切り返しでスウィングプレーンに乗せる動きは秀逸と言えるでしょう。

画像1の左はトップの位置、右はハーフウェイダウンと言われるダウンスウィングの途中の画像ですが、クラブの角度に注目してみてください。どちらの画像でも、ほぼ同じ角度であることが分かるはずです。

画像: 画像1。オンプレーンなダウンスウィングは大器を感じさせる

画像1。オンプレーンなダウンスウィングは大器を感じさせる

これは、やや高めのトップの位置からボールに対して低くシャロ―(浅く)に入る軌道にクラブが正しく平行移動していることを表しています。切り返しで手を使わずにしっかりと体幹部を回転させることで、上げたラインよりも内側にクラブが体に巻き付くように下りてくる。その結果、オンプレーンにクラブが下ろせるわけです。

この写真を見て、思い出したプロゴルファーがいます。誰あろう、タイガー・ウッズです。体全体が沈み込むような動きとともに、手を使わずに体の回転だけでクラブを巻き付けるように下ろす。このなめらかなダウンスウィングの入り方は、「女タイガー」と言っても言い過ぎではないような気がします。

とはいえ、まだ19歳。気になるポイントがないわけではありません。画像1右写真の、右足のかかとを見ると、少し浮き上がるのが早く、浮く量が大きい。右かかとが浮くと、右のひざや右腰がボール方向に出てしまい、手元の下りてくるスペース狭くなって、手元が浮いてしまったりフェースが開いて当たるミスが出やすくなります。

右足のかかとの浮きをおさえてしっかりとヘッドスピードを上げられる力の出し方を見つけられると安定度はさらに増すはず。女タイガー、あるいはジャンボ尾崎のようなスケールの選手に成長することを期待します。

4月末の「サイバーエージェントレディス」ではパーオン率は全体の8位(39/54)とアイアンショットにもキレがあったことを示している。ところが1日当たりの平均パット数を見ると20位タイ(29.33パット)と、全体の1位で優勝した新垣比奈の26.33パットと比べると3打悪かったということになる。裏を返すと、パットが改善されれば十分に優勝争いができる位置で戦えるということだ。

新進気鋭の19歳は、まだまだ修正が必要なポイントがあるものの、それ以上に光るものを持っている。着実にステップアップしてレギュラーツアーで活躍する日もそう遠くないはずだ。

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