ザ・プレーヤーズ選手権で11位タイに入ったジャスティン・トーマスが世界ランク1位に浮上した。15カ月トップを守ったダスティン・ジョンソンを引きずり降ろした男の野望は“長期政権”だ。

ダスティン・ジョンソンの長期政権を終わらせたジャスティン・トーマス

ウェブ・シンプソンの圧勝に終わった第5のメジャー、ザ・プレーヤーズ選手権。見どころはいろいろあったがジャスティン・トーマスとダスティン・ジョンソンの世界ランク1位を巡る攻防にも注目が集まっていた。

前週のウェルズ・ファーゴ選手権にジョンソンが試合に出ていなかったため成績によっては1位浮上のチャンスがあったトーマスだが21位タイに終わりナンバー1奪還はならなかった。

迎えたザ・プレーヤーズ選手権では初日86位タイと大きく出遅れ、2日目にはなんとか盛り返しカットラインぎりぎりで予選を通過。3日目終了時点で単独3位のジョンソンに対しトーマスは33位タイと1位への道は険しいと思われた。

しかし尻上がりに調子を上げ最終日に6アンダー66をマークし11位タイに浮上したトーマスとは対照的にジョンソンはスコアを伸ばせず17位タイで終戦。結果トーマスが1986年に世界ランキングシステムがスタートして以来21代目のナンバー1に躍り出た。

「もちろんすごく大きな意味がある。世界ランク1位はずっと目標だったからね。でも1日天下にはなりたくない。できればDJ(ジョンソン)のように、欲をいえばタイガーのように長いスパンでナンバー1の座を守りたい」と24歳にして大きな目標を口にしたトーマス。

タイガーが守った683週1位の記録への道のりは果てしなく遠い。だが“長期政権”を目指す心意気は大したもの。

画像: ダスティン・ジョンソン(左)から世界ランク1位を奪取したジャスティン・トーマス(右)。長期政権を築くことができるか!?(写真/2018年のマスターズトーナメント)

ダスティン・ジョンソン(左)から世界ランク1位を奪取したジャスティン・トーマス(右)。長期政権を築くことができるか!?(写真/2018年のマスターズトーナメント)

大したものといえばウェルズ・ファーゴ選手権のプロアマ大会でトーマスはファンのプロポーズを手助けするという大仕事をやってのけている。

ファンから「彼女にプロポーズしたい」という相談メッセージをSNS上で受け取り、なんと本人自らが演出したプロポーズ大作戦を実行に移したのだ。

ロープの外で観戦するカップルのもとに近づき「調子はどう?」と声をかけたトーマス。さらにポケットから手袋を取り出し相談者の男性に渡すと彼女にはボールをプレゼント。

それを見た彼女は息をのみ「オーマイゴッド」を繰り返す。ボールには「Will you」の文字があったからだ。Will youとくればmarry me、すなわち「結婚してください」に決まっている。ひざまずいて指輪を差し出す男性に「Yes!」と大きく頷いた彼女。人生最高の瞬間にトーマスが立ち会うという劇的な展開に相成った。最後はカップルとトーマスが3人で抱き合い満面の笑みで記念写真に収まると周囲から笑顔と喝采が。

試合模様も面白いがスピンオフストーリーも面白い。ロープ外でどれだけ徳を積むかが実はコース内でのプレーに影響する。そんなことを思わせるエピソードである。一見神経質そうに見えるが会うとなかなかのナイスガイという評判も。トーマスがゴルフ界の先頭を走るのも悪くない。

写真/姉崎正

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