みなさんは練習場ではどんな意識で練習をしているだろうか? なんとなーく球を打っている人はもしかしたら練習ではなくただの「体操」になっているかも。そんな疑惑を業界イチのギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人が読み解いた。

みなさんこんにちは。ギア大好き店長の小倉です。当店は、練習場の中にあり、店の前が打席です。お店にお客様がいないときは、近くで練習される常連さんの練習風景を観察しております。そんな中で気づいたことがありましたので、少しお話ししたいと思います。

常連のAさんは、全日本の試合に出ているトップアマチュア。週2~3回ボールを打ちに来られています。普段は、楽しそうに周りの仲間と話しながら何気なくボールを打っているのですが、先日、いつもと違う時間帯にひとりでいらっしゃいました。すると普段とまったく違う形で練習を開始。仲間とワイワイやっている時は、ぽんぽんボールを打つのですが、1球1球クラブを替え、まるでコースでショットをしているように飛球線後方から目標を確認しながら打っているんです。

あまりに普段と違うので思わず声をかけてみたら、近々クラチャンの予選があるとか。普段の練習はスウィングのリズムやタイミングを忘れないためのチェックぐらいなもんである意味体操なんですって。で、いざとなったら練習方法をより実戦的なものに変更するんだとか。上手い人の練習方法って興味ありません? 無理言って普段と実戦直前と何が違うのかを詳しく聞いちゃいました。お聞きした話は以下の通りです。

■普段
・アドレスから始動までの時間とスウィングリズムを意識してスウィングすること
・何気なく構えて目標に対してボールが打ち出されているかのチェック

普段は基本この2点しか気にしていないそうです。多少ボールが曲がっても一定方向に曲がっているようなら気にせず、同じリズムで打ち続けて同じ曲りに揃えることを意識する。

■試合前など
・ワンショットずつ実戦と同じようにルーティーンを含めて打つ
・目標は1ショットずつ替える
・同じクラブはできるだけ連続して打たない。打っても2回まで

できるだけコースをラウンドしている時のショットと同じ動き、状況を取り入れて練習していますね。これなら直前の自分のコンディションを把握しやすいので、対策も立てやすい。常に良いスコアでラウンドできる理由が良く分かります。

画像: 常連のトップアマAさんは、コースでラウンドしているときの状況を想定して目標やクラブを1球ごとに変えながら練習しているそうだ(写真はイメージ)

常連のトップアマAさんは、コースでラウンドしているときの状況を想定して目標やクラブを1球ごとに変えながら練習しているそうだ(写真はイメージ)

調子の悪いとき、ボールが曲がる時は、曲がる方向の弾道をあえて打ち、どうしてその弾道が出るのかを自ら体感することで本番でのアジャスト能力の向上やどうして曲がるのかの原因究明をするのだそう。

あくまでこれは、いちゴルファーの練習法であってこれが正解というわけではありません。ツアープロもそれぞれの練習のルーティンを持っており、コンディションの保ち方や、練習の方法は様々です。

今回何が言いたのかと言いますと、ほとんどのゴルファーがコースでのショットを想定して練習していないなということを感じるのです。苦手だからと言って同じクラブを連続して練習している方をよく見かけますが、人間の感覚は素晴らしいので同じクラブをずっと打っていればどんどん慣れていき、アジャストして打てるようになっていきます。

ですがコースでは、必ず別のクラブの後に打つため2~3球打った後にグッドショットを打ててもあまり意味がないのです。もちろんまったく意味がないとは言いません。打たないよりは絶対に良いですし、振りなれていないクラブなどであればなおさらです。ですが、よりコースで結果を出したいなら1~2球打った後にクラブを持ち替えて練習するほうがより本番力がつく練習になると思います。

同じ理由として、狙う方向もありますね。毎回同じ方向にボールを打つよりも毎回目標を少しずつ変えて打つ練習をしておけば本番力が高まります。あまり斜めうちすると練習場では危険ですが、少しずつ目標を変えて打つことで、目標に真っすぐ構えるアライメント力も養うことができるんです。

わざと曲げるという練習もとても大切です。常連Aさんのお話の通り、曲げる練習をすることで、ボールが曲がるメカニズムを体感、理解することができます。それを理解することで初めて曲る原因を元から修正することができます。

普段行っている練習法をちょっと変えるだけで、普段と違う「気付き」があるかもしれません。良かったらやってみてください。

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