帝王ジャック・ニクラスの庭ミュアフィールドビレッジGCを舞台に華やかに幕を開けたメモリアル・トーナメント。4連続バーディと圧巻のイーグルで、松山英樹が久しぶりに主役に踊り出た。

松山とともに首位でスタートした19歳のホアキン・ニーマン

4年前に米ツアー初優勝を飾った思い出の大会初日、松山は7アンダー65の好スコアをマークし首位タイの好スタートを切った。

「ここのところ思うようなプレーができずフラストレーションが溜まっていた。前は調子がそれほど良くなくてもなんとかスコアをまとめることができたけれど、ここ数カ月それができず苦しかった」と本人。世界ランクはトップ10を維持しているが、今季はベスト10入りが1回だけと優勝候補のリストに名前が載ることもなくなった。

しかしこの日は目を見張るようなプレーで他を圧倒。とりわけ13番からの4連続バーディのあと17番パー4の第2打=イーグルはまさに“ショット・オブ・ザ・デイ”。

残り130ヤードをウェッジで放った打球は一直線にピンをさし、カップ奥数10センチに落ちるとバックスピンで吸い込まれた。

PGAツアーの公式ツイッターでは「バーディ、バーディ、バーディ、バーディ、イーグル。普通夢でしか起こらないが」と動画つきでつぶやかれた。

画像: 首位でスタートした松山と出遅れたタイガー、最終日は果たしてどの位置にいるだろうか?(写真は2018年のマスターズトーナメント)

首位でスタートした松山と出遅れたタイガー、最終日は果たしてどの位置にいるだろうか?(写真は2018年のマスターズトーナメント)

思えば松山は連覇がかかった15年の大会でも初日8アンダー64を出し首位発進を切っている。そのときは2日目以降スコアを伸ばせず5位タイに終わっているが「あのときとは違う結果にしたい」。

そして過去5勝を挙げている得意の大会で注目を集めているのがタイガー・ウッズ。第1ラウンドはイーブンパー72、47位タイと出遅れたが終盤3連続バーディで盛り返し「頑張って振り出し(イーブンパー)に戻せて良かった」と不本意ではあるがある程度の手応えを吐露。スロースターターだけに2日目以降の巻き返しに期待がかかる。

じつはタイガーにも松山が連覇を逃した15年のこの大会には苦い思い出がある。得意のコースだというのに第3ラウンドで自己ワーストを3打更新する「85」を叩いてトップと29打差、ぶっちぎりの最下位(71位)に沈んだのだ。

「あのときは自分のプレーを誰にも見せたくなかった」と苦笑いで振り返ったタイガー。体調面を考えれば全米オープンを2週間後に控えた大事な大会で昔の轍は踏まないはず。課題は「左めに飛んでいるショットの修正」。週末はスカッとするようなプレーが見たい。

そしてこの日松山、タイガーとともに主役のひとりに踊り出たのがチリ出身の19歳ホアキン・ニーマンだ。南米アマのチャンピオンは今年のマスターズにも出場するなどグローバル化するゴルフ界で若手有望株のひとり。マスターズ直後にプロ転向しここまで4試合に出場、すでに2度トップ10に入っている。

若い若いと思っていた松山が26歳。次世代のプレーヤーたちが育っている現状に松山は自らの19歳のころを振り返り「10代でもここに出てくるからには7アンダーを出す力がある。若い子たちはイケイケですよ」とコメント。勝負はここからだ。

写真/姉崎正

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