PGA(米男子)ツアーは地域色が濃く、開催週は地元の人たちがお祭りのように盛り上がる。プロゴルファーでありツアー解説者でもあるタケ小山は、米ツアーの成り立ちや大会を盛り上げるルールにその理由の一端があると言う。著書「ゴルフは100球打つより見てなんぼ!」から、米ツアーについてご紹介。

アメリカではゴルフで街中がお祭り騒ぎ!

ゴルフ場のエキシビションマッチから、インタークラブマッチ、地区オープン、そして大都市へと拡大していった米ツアーですが、今でも地区オープンが原点となり、試合名を変えながら開催されています。そのため、地域色が非常に濃く、それが日本ツアーとは異なる特徴といえます。

トーナメントが開催される週は、地元の人たちにとってのお祭り期間です。昔から、その地域で行われているゴルフ大会であるということが、その理由です。

また、もうひとつ日本にはない、大会を盛り上げるためのルールがあります。それは、米ツアーには、ローカルPGAプロの枠があるということ。地元の大会だったら出場できるプロがいるので、その地元プロを応援しようと、地域の人が一体となって大会を盛り上げるのです。

画像: 大会の大小に関わらず、米ツアーの試合は一大イベントとして地域に根付いている(写真は2018年のジェネシスオープン)

大会の大小に関わらず、米ツアーの試合は一大イベントとして地域に根付いている(写真は2018年のジェネシスオープン)

地元プロが出場することによって、彼らの親戚縁者や、出場するプロからゴルフを教わっている人々が、ツアー会場にたくさん訪れます。もちろん数十人程度が応援にきたところで、何万人ものギャラリーがいることを考えれば、小さなことです。しかし、地域とツアーとの一体感が生まれ、ツアー自体が盛り上がりますし、その結果、地域にとってゴルフというものがかけがえのない存在となるのです。

それは、下部ツアー『WEB.COMツアー』でも同じです。「こんなところで試合するの?」と驚いてしまうような田舎町で開催しても、地域のお祭り的要素が強いので、そこそこ盛り上がります。

こういうツアー構築が、アメリカでゴルフが根づき、野球やバスケットボールなどと同様に人気スポーツである、ひとつの要因ともいえるでしょう。

「ゴルフは100球打つより見てなんぼ!」(ゴルフダイジェスト新書)より

撮影/姉崎正

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