月曜から木曜日までお送りしたユーティリティのルーツ、横浜ゴム「インテスト」。通称「タラコ」の名で多くのゴルファーに愛され、瞬く間にユーティリティという新カテゴリーを誕生させた紛れもない怪物クラブ。

しかし、当時のユーティリティは「アイアン型」と呼ばれ、現在のユーティリティと比べたらスイートエリアは狭く、改良の余地を残していた。

2番アイアンは上級者のシンボル――。打てても、打てなくても、自称「上級者」を謳うゴルファーのバッグには2番アイアンが入っていたものだ。「凄いですね、2番アイアン入れているんですか」。こんな会話がなされていた。

画像: 上級者のシンボル「2番アイアン」が消えた日・・・
横浜ゴム「インテスト」⑤

難しいクラブを打ちこなしてこそ上級者・・・。この風潮が消えたのは1980年代後半から90年代初めに起きた「ピンテラ」ブームだろう。ドライバーはテーラーメイドのメタル、アイアンはピンアイ2、キャディバッグは真っ白なエナメル調のピン。この組み合わせが「“ナウイ”ゴルファー」の象徴となった。

日本はバブル景気。アメリカに行ったらテーラーのウッドとピンアイ2のアイアンセットを買い、ピンのバッグに入れて日本に持って帰る・・・・。

画像: 大人気となったピンアイ2

大人気となったピンアイ2

ピンアイ2人気はPGAツアーの選手まで巻き込んだ。「こんなにやさしいクラブがあるのなら使わない手はない」。打感や操作性にこだわるツアー選手も2番アイアンだけはピンアイ2を入れるケースが目立った。横浜ゴムがインテスト(通称タラコ)を開発するにあたって、従来の「リニア思考」を壊す発想がPGAツアーでも起こった。

日本のツアーでもジャンボ尾崎がロイヤルコレクションのアイアン型UTの2番を入れ話題となった。それまでは「J‘s」の流れを汲むブレードタイプの2番アイアンを入れていたが、新しいモノ好きのジャンボは、ロイコレ製のカーボンヘッドの2番をツアーで使用するようになった。

ジャンボが動けば、他のプロも動くというのが当時は当たり前。それぐらい影響力があった。「ジャンボさんがユーティリティ使うなら、俺たちも・・・」。こうして従来の流れを重視する「リニア思考」は日本のプロからも消えていった。

画像: 絶大な影響力を持った尾崎将司

絶大な影響力を持った尾崎将司

時は2016年。ほんの一部の選手を除けば、ほぼ全員と言ってもいいぐらいツアープロのバッグには、進化したユーティリティが入っている。アイアンも4番アイアンを頭に5番、6番・・・・・。女子プロにいっては5番アイアンを抜いて、5UTを入れる選手が増えている。

ゴルフには、こんな説があるのをご存じでしょうか。

3番アイアンを抜いてしまうと、4番が打てなくなる。4番アイアンを打ちたいなら、3番アイアンを抜いてはいけない。現在は5番アイアンがセットの頭。この説が正しいとなると、5番アイアンは打てない“お飾りクラブ”で、打てるのは6番アイアンから・・・・となる。

それで本当いいのか? やっぱり5番アイアンぐらいはビシッと打てないと・・・・。

発売中の月刊ゴルフダイジェスト7月号では、昔はもっと打てていたはずなのに・・・。5番アイアンがビシッと打てるとその相乗効果でドライバーが250ヤード飛ぶことも発見しました。

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ユーティリティのルーツ 横浜ゴム「インテスト」開発の裏舞台①

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ユーティリティのルーツ 横浜ゴム「インテスト」② ロフト30度以下ならカーボンのメリットが生かせる・・・

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ユーティリティのルーツ③横浜ゴム「インテスト」プロから届いた一通のFAX・・・「カーボンの1番を使わせてほしい」

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