「間」を無理に作ろうとしても、振り遅れになるだけ
トップで間を作ることについて尾崎直道プロは、「間は意識的に作るものではなく、いい動きをした結果生まれるもの。無理にトップで動きを止めて間を作ろうとしても、それは振り遅れになるだけですよ」(尾崎直道、以下同)。
なるほど。では、いい動きとはどんなものなのか。
「いい動きとは、すなわち歩くこと。僕はいつも歩くリズムを意識しているんですよ。間を生むにはリズムが大事ですから。歩くときって下半身が動き出して、それから手がついてくる。上下の時間差がありますよね。この時間差こそが“間”なんです」。
左足を上げて右足に体重を乗せ、下半身から動かす。自然と右腕が前に出てきて、左腕が後ろに下がる
左足に体重が移っていき、それにつられて左腕が前に出る。右腕は後ろに下がる。下半身⇒上半身の順に動く
歩くときにできる上半身と下半身の時間差がこそが、そのままスウィングにおけるトップの間になるというわけだ。
スウィングは歩く動作に回転運動が加わるだけ
「スウィングも歩くときと同じ。バックスウィングで下半身から動いて上半身が遅れて動き出し、切り返しで下半身が動いて上半身が遅れてついていく。この一連の動作がスムーズに流れたときにトップの間が生まれる。歩く動作に回転運動を加えた動きがスウィングなんだよね」。
左脚が振られて動き、完全に右足体重
左サイドに体重が完全に移るとともに、上半身も回転する。左の股関節上で回転するイメージ
トップで間を作るためには、歩く動作とそのリズムが大切というわけだ。直道プロはこのことを「歩くように打つ」と表現する。皆さんも意識してみてはいかがだろうか。
尾崎直道
通算32勝
尾崎3兄弟の末弟。体格では2人の兄に劣るものの、気迫あふれるフルスウィングで、飛距離では決してひけをとらなかった
※月刊ゴルフダイジェスト2013年5月号より