最近のドライバーは、テーラーメイドの「M1」「M2」のように複数のタイプが発売されるケースが多い。ボールもしかりで、「TP5」と「TP5x」のように複数あり、組み合わせは複雑。それを踏まえて、ボールとクラブの間には相性があるのか否か、実際に打って試してみた。

同じメーカーのヘッドとボールは相性がいいとされるが……

ボールとクラブの相性を論じるときに良く出る話が、「同じメーカーのクラブとボールは相性がいい」というものだ。クラブを開発するとき、メーカーは当然自社のボールを用いてテストを行う。そのボールを打ってもっとも飛ぶ、あるいは曲がらないヘッドが製品となるので、必然的に相性が良くなる、というわけだ。

とはいえ、ひとつのメーカーでも複数のヘッド、複数のボールを販売している場合どうなるのか。気になったので実際に打って試してみたというのが今回の実験の趣旨。実験には、テーラーメイドの「M1 460」と「M2 460」の、それぞれ純正Sシャフト装着モデル(ロフト9.5度)を用意、同社の「TP5」「TP5x」をそれぞれのドライバーで打ってみた。

画像1: 同じメーカーのヘッドとボールは相性がいいとされるが……

世界ランクNO.1のダスティン・ジョンソンは「M1とTP5x」という組み合わせ。一方、スペインのセルヒオ・ガルシアは「M2とTP5」という組み合わせだ。みんなのゴルフダイジェスト編集部Oと、編集部員でプロゴルファーの中村修が打って、果たして結果はどうなるか。

画像2: 同じメーカーのヘッドとボールは相性がいいとされるが……

「プロが使うスピン系のボールと、アマチュア向けのディスタンス系ボールを打ち比べれば一目瞭然の差が出ますが、プロモデルのドライバー2種類と、プロモデルのボール2種類を打ち比べて、どのような結果になるのか興味ありますね」とは中村の弁。プロとアマチュア、双方の試打結果をまとめて表が下だ。

画像3: 同じメーカーのヘッドとボールは相性がいいとされるが……

アマチュアが打った場合、平均してもっとも飛んだのは「M2」と「TP5」の組み合わせだった。打ち込むタイプのスウィングで、ボールが十分に上げきれていない中、この組み合わせがもっとも打ち出し角度を稼ぐことができた結果、4つの組み合わせでもっともキャリーが稼げている。

スピン量は多めだが、それがかえって揚力につながり、キャリー増に一役買っているといったところだ。では、プロの場合はどうか。

もっとも飛んだのは“ガルシアセット”

画像: もっとも飛んだのは“ガルシアセット”

というわけで、ちょっと驚きの結果となった。なんと、アマチュア試打者と同じく「M2」と「TP5」の組み合わせがもっとも飛ばせるという結果になったのだ。

「僕自身にM2が合っている、ということはもちろんあるとは思うのですが、TP5xよりTP5のほうが飛んだのは意外でした」とプロテスターの中村。そもそもM2よりもM1のほうがスピンが少なく、TP5よりTP5xのほうがスピンが少ない。であるにもかかわらず、もっともスピンが多くなるはずのM2とTP5の組み合わせが、もっとも程スピンとなっている。

「目隠しテストではなかったので、もしかしたら“スピンの多い組み合わせだな”ということを認識し、スピンを減らす打ち方に無意識になっていたのかもしれませんね。機械が打ったらもしかしたら違う結果になるかもしれませんが、プレーするのが人間である以上、心理面の影響は必ず打ちますから」(中村)

画像: 機械で打った結果が、そのまま人間の結果とイコールではないのが面白いところだ

機械で打った結果が、そのまま人間の結果とイコールではないのが面白いところだ

たとえば「M1」と「TP5x」の組み合わせは、テーラーメイドの開発責任者が「この地球でもっともスピンが少ない組み合わせ」だと胸を張る組み合わせだが、人間が使う場合、必ずしもそれがイコール結果に直結しない場合もあるのが面白いところだ。

「サンプルはプロアマたったの1名ずつではありますが、M2とTP5の組み合わせがもっとも飛んだのは事実。セルヒオ・ガルシアが採用するこの組み合わせが好相性なのは、間違いがないのではないでしょうか」と中村。

画像: 試打場所は東京・新小岩にある最新鋭の設備を誇るゴルフスタジオ「PGST」で実施。練習・レッスン・工房機能に至るまで、ゴルフに関わるすべてが実現できるスタジオだ

試打場所は東京・新小岩にある最新鋭の設備を誇るゴルフスタジオ「PGST」で実施。練習・レッスン・工房機能に至るまで、ゴルフに関わるすべてが実現できるスタジオだ

クラブによって相性のいいボールは確実に存在する。もちろん、そこに自分のスウィングという要素が加われば、そのマトリクスはさらに複雑になる。すべての組み合わせを試すことはできないけれど、「自分にとってはこの組み合わせがベスト!」というのを探してみてはどうだろうか。

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