日夜パットに関する研究を続ける動作解析の専門家、日本獣医生命科学大学の濱部浩一教授。今回は、「ショートパットを入れるには、スウィング軌道は“関係ない”」と断言。そんな馬鹿な!? 教授、一体どういうことですか?

ショートパットはフェースの向きを「維持」することが大切

ショートパットをカップインさせるために大切なのは、マシーンのような振り方(ストローク)を目指すことではありません。ヘッド軌道はさておき、ボールに当たる瞬間のフェースの向きが重要なんです。さらに細かく言うなら、「インパクトと球離れするまでのコンマ何秒かの間、フェースの向きを維持」させることが“超”重要です。

ショートパットを苦手としている人の大半はストロークに迷いがあって毎回違う(再現性の低い)打ち方をしたり、フェースの向きへの意識が薄い人が大半です。

詳しく説明しましょう。下の図をみてください。

画像: A、B、C、D、それぞれ軌道は異なれど結果は同じ

A、B、C、D、それぞれ軌道は異なれど結果は同じ

A、B、C、DはそれぞれA=イントゥイン、B=ストレート、C=アウトイン、D=インアウトの軌道を表しています。一見、A、Bはカップイン率が高く、B、Cのカップイン率は悪そうですが、ショートパットの場合、A、B、C、Dすべて、100%、ど真ん中からカップインします。なぜでしょうか?

それは、ショートパットの場合、軌道が多少アウトインやインアウトであっても、インパクト時にフェースが向いている方向にボールが転がるという特性があるからなのです。

これがロングパットになり、ある程度ヘッドスピードが出てきた場合は、ベクトルの作用を受け、振った方向へボールが飛び出そうとしますが(たとえばアウトインならボールは左へ飛び出そうとします)、ショートパットではインパクト時のヘッドスピードが遅いうえ、インパクト直後の球離れも早いので、軌道による影響はまったく気にしなくてOKなのです。 

「データの気にしすぎ」がカップイン率を下げている!?

ですので、ショートパットが入らなくて悩んでいる人は、仮にヘッド軌道測定器などで自分の軌道がAやBでなかったとしてもまったく問題ありません。自分の軌道を「正しいといわれている」AやBのマシーンのような軌道に矯正しようとするあまり、毎回違う不安定なストロークとなるのでは意味がありません。

大切なのは、自分が自信をもってスムーズに振れる打ち方をすることです。それにより、毎回同じように振る。ですから、若干のアウトサイドイン、若干のインサイドアウト、どちらであったとしても毎回同じように自分流を再現して打てるのならそれでOKなのです。

それよりも、フェースの向いている方向にボールが転がることを理解して、そのフェースの向きを維持すること強く認識しましょう。あとはその向きさえ合っていれば、ショートパットは、それで確実に入ります。

以上をまとめると、こうなります。
1) ショートパットでは軌道やタッチよりフェースの向きが超重要
2) 軌道は再現性が高ければ、多少のカットやインアウトにはこだわらない
3)きちっとアドレスで狙ったところにフェースを合わせること
4)ボールに当たり負け(=インパクトの衝撃でフェースの向きが狂うこと)してフェースを開いたり、インパクトをゆるめてフェースをかぶせたりしない。インパクト直後のフェースの向きをそのまま維持する意識を強くもつ。

4)のフェースの向きをコントロールする打ち方については、「大学教授の大発見!パターを「12mm」浮かせて打つと入ります」で記したように、下からこすりあげるようにストロークするとフェースをスクェアにコントロールすることができ、またインパクト直後に当たり負けもしません。記事にあるように、こすりあげることにより、インパクトでヘッドが12ミリ程度浮くので、転がりもよくなります。

スクェアにインパクトでき、当たり負けせず、転がりもいい。トリプル効果が期待できるので、ぜひお試しを!

パットは科学だ! 大好評・濱部教授シリーズ

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