新人として出場したツアー前半戦で躍動した川岸史果。父・川岸良兼譲りのショット力は、井上透コーチと地道な「素振り」をベースに築き上げたものだという。「いまでは素振りがスウィングがベースになっている」という川岸に、そのやり方と効果を聞いた。

素振りを100点にしておかないと「話にならない」

Q:プロテストに3回落ちたところから井上透コーチと本格的なスウィング改造に取り組みましたね。

「2、3カ月、コースに出ないで、鏡を見ながらシャドースウィングでポジションチェックをしていました。どこに上がって、どう下りてくればいいのか。いまでは素振りが私のスウィングのベースになっています。本当に地味な練習でした」(川岸、以下同)

Q:その地味な練習を井上コーチのインドアスタジオでやっていたんですね。

「コースや広い練習場でボールを打つと、出た球筋に体が反応するじゃないですか。スウィングの型を作るためにはインドアのほうがいいんです」

画像: 素振りを100点にしておかないと「話にならない」

Q:インドアで、しかも正しい素振りが大切ということですね。でも、アマチュアはなかなかその正しい素振りができません。

「素振りが60点の人は本番では40点になってしまいます。素振りを100点にしても、試合では景色などに影響されて60点ぐらいになってしまうものなんです。だから、素振りで100点の型にしておかないと、話にならないんです。バンカーの砂に線を描いて、ヘッドの入り方をチェックする素振りも同様です。全部の跡が一直線に揃うようにやっていくんです」

画像: 7番アイアンの素振り(右)とショット(左)。ボールがなければ見分けがつかないほど酷似している。「100点の素振りができても、コースでは60点程度。だから素振りは地味でも大切なんです」

7番アイアンの素振り(右)とショット(左)。ボールがなければ見分けがつかないほど酷似している。「100点の素振りができても、コースでは60点程度。だから素振りは地味でも大切なんです」

Q:それでジュニア時代からの癖を修正したんですね。

「癖は誰にでもあるはず。試合でその癖が出ないように、素振りでは100点に近づけておきます。それと、練習場では、一旦トップで止めて、そこから打つということもやります。意外と無駄な動きをしないでクラブが下りてくるんですよ」

画像: 普通の素振りのほかに、トップから右腰までの切り返しを繰り返してから振り切る素振りも行っている

普通の素振りのほかに、トップから右腰までの切り返しを繰り返してから振り切る素振りも行っている

2017年7月13日からの全米女子オープンにも出場する川岸。そのスウィングは「素振り」によって、磨かれていた。

(週刊ゴルフダイジェスト2017年7/25号 『レッスンノンフィクション 川岸史果 茅ヶ崎の“海砂”に教わったインパクト。』より 撮影:三木崇徳)

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