松山英樹のメジャー初制覇に向け期待感が増し続ける2017年の全米プロ。現地で取材を続けるスウィング研究家・吉田洋一郎が、松山やその他有力選手たちの様子をレポート!

タフさ極まる上がり3ホールが、名手たちを待ち受ける

月曜日の朝、優勝の翌日にも関わらず、コースの状況をたしかめながらハーフをラウンドしていた松山英樹選手。火曜日(8日)は、雨が弱まるのを待って11時頃からラウンドを開始していました。

今回の全米プロの会場であるクエイルホロークラブにはグリーンマイル と呼ばれるタフなあがり3ホールが待ち受けています。16番(506ヤード、パー4)、17番(223ヤード、パー3)18番(494ヤード・パー4)と距離がある上、16番、17番はグリーン左サイドと奥が池、18番はティショットからグリーンまで左にクリークが流れています。

つまり、この3ホールでのヒッカケは厳禁。ドローヒッターにはつかまりすぎが怖いので、ついゆるみそうな感じがします。ならば右に逃げればいいと思うところですが、そこはきっちりバンカーでガードされているため、グリーン面に正確なショットを打つことが要求されます。

グリーンに乗っても安心はできません。3ホールとも水のある方向にグリーンが傾斜しているからで、グリーンオンしても転がって池に入ったり、右に逃げた場合はバンカーやラフからのアプローチが止まらずに池に入るなどのリスクが常にあります。ウォーターハザードとグリーンの傾斜を計算したうえで、グリーンに点で落とすショットが要求されるということです。

松山と世界トップのグリーンマイルの練習ラウンド

松山選手は谷原秀人選手と練習ラウンドを行いました。この日は本人曰く「ショットが曲がっていた」ということでしたが、それほど気にはならない程度。16番ティショットをバンカーに入れるなど少しブレがあったものの、17番はきっちりとグリーンオンに成功するなど要所は締めていました。フェードで攻めることのできる松山選手にとって、左のハザードはそれほど気にならないと考えられます。

練習ラウンドを通して、グリーン周りのラフの練習を入念にしていたのが印象的です。バミューダ芝なので、スッポリとボールが埋まってクラブがラフに負けたり、浮いていても下をくぐったりと様々な状況になるので対処が難しいラフとなっていますが、特に埋まったライを作って練習。ロブ、バックスイング大きめでインパクトを強めに入れる打ち方、ノーマルの3種類を打ち分けて試しながら打っていました。

画像: WGCブリヂストン招待では最終日にラフからチップインイーグルを奪うなどアプローチが冴え渡った松山。全米プロでも寄せでピンチをチャンスに変えたい

WGCブリヂストン招待では最終日にラフからチップインイーグルを奪うなどアプローチが冴え渡った松山。全米プロでも寄せでピンチをチャンスに変えたい

松山たちの3組前ではダスティン・ジョンソン(以下DJ)、ジョーダン・スピース、ブルックス・ケプカの豪華ペアリングがラウンドしていました。スピースは優勝した全英の調子を維持しているようで、ショットは好調。2016年のマスターズ、この前の全英オープンなど、スピースは肝心なところでいつも右にミスするので、右のバンカーに入れた時の対策を入念に行うなど、対策をしているようでした。

DJは17番で左の池にひっかけて入れるなど、前週のWGCブリヂストン招待に引き続き、ショットが荒れ気味。18番ではスピースを20ヤードオーバードライブし、フェアウェイをキープしたが、優勝争いに絡んだ時に今回の上がり3ホールは厳しいのではないかと感じました。

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