渾身のティショットは、どうやらOBの可能性が高いみたい。念のため暫定球をティアップしてアドレスしたところで、同伴者に「暫定球の宣言をしていない」と指摘されちゃったんだけど……。

「やっちゃったかも⁉ ファーッ!!」
ティショットが曲がってしまい、右の林の方向へ。ガサガサガサ…… 「あ! ヤバッ!!」「う~ん、あそこはもしかしたらOBかもしれないわ」

「やっぱり、このボールのせいかしら……」
「スウィングはそんなに悪くなかったし、もしかしたらこのボールが私に合ってないのかなぁ? このタイミングで違うボールに変えようかしら」。

「今度はこっちのボールにしてみるわ」
「今のはOBかもしれないから、一応、こっちのボールでもう1コ打っておくわね」。「うん、念のためそのほうがいいかも!」

「体が開かないように……」。「って、ちょっと待ってー!!」
「ねぇ、ちょっと待って! 暫定球を宣言した?」
「“暫定球”とは言っていないけど、『もう1コ打つ』とは言ったわ。この状況でもう1コ打つってことは、どう考えても暫定球のことよね。何も言わずに打ったら即インプレーだけど、今のは問題ないんじゃない?」
「単に『もう1コ打つ』と言っただけでは、そのボールを“暫定球として”プレーするつもりなのか判断できないから、はっきり『暫定球を打つ』と言わないとダメよ。そのまま打つと、1球目は即紛失球扱いになるわよ」。
さて、2人の見解のうち正しいのはどっち?
「暫定球」と言わずに打つと……?
週刊ゴルフダイジェスト9月19日号「ゴルルとルール。」より(監修・小山混、写真・Norio Tsuburaoka)