ヤマハのインプレスUD+2、キャロウェイのEPICスターなど、従来のアイアンよりも飛距離を出せることで大人気の「激飛び系アイアン」。ギアライターが、最新モデルと47年前のクラブを打ち比べてみたら……意外なことがわかった。

最新アイアンは47年前のアイアンよりも「3番手」飛ぶ!?

2017年も“自分にとっていい球がでるクラブ”を探し続けた一年でした。年の後半戦には、構えた時の顔立ちがものすごく好みで、ずっと使いたいと思っていたスポルディングの『トップフライト・プロフェッショナル』アイアンを実戦投入。なぜなら、このアイアンで打つと不思議と狙ったラインにボールが飛んでいくからです……。

構えやすくて、ロングアイアンでもしっかり上がり、思ったように飛ぶのです。1970年製とか、自分と同い年とか、そんなことは好結果の前にはどうでもいいことなのです。

さて、そんなオールドアイアンを気に入って使っていた昨年、話題になったのは、キャロウェイ「エピックスター」アイアンの飛びでした。私も取材にかこつけて打ってみました。

画像: 緑の線が「エピックスター」、紫の線が「スポルディング」。エピックの7番と、スポルディングの4番は、ほぼ同じ弾道図を描いた

緑の線が「エピックスター」、紫の線が「スポルディング」。エピックの7番と、スポルディングの4番は、ほぼ同じ弾道図を描いた

すると、お気に入りの70年製「スポルディング」の4番と、「エピック スター」の7番アイアンがほぼ同じ飛距離なのです!

画像: キャロウェイ「エピックスター」(写真左)とスポルディング「プロフェッショナル」(写真右)

キャロウェイ「エピックスター」(写真左)とスポルディング「プロフェッショナル」(写真右)

これがアイアン47年の進化か……、と3番手ズレの現実に感慨を深めたのでありました。でも……、コレにはカラクリがあるのです。この2本のスペック。ほとんど同じだったのです。

スポルディング PROFESSIONAL '70/スチール           #4 27度 37.8インチ
キャロウェイ EPIC STAR/Speeder EVOLUTION for EPICカーボン  #7 26度 37.5インチ

ロフトと長さが同じなら、結果(飛距離)も、そりゃ同じだよな……、ということです。もちろん、ヘッドの慣性モーメントは大きくなり、ミスヒットに強かったり、シャフトの進化によって振りやすさが向上していたりと、47年の間には格段の違いがあるものの、ロフトと長さが決める基本的な飛距離には大きな差は生まれないのですね。

コレをどう捉えるのかは、ゴルファーそれぞれだと思います。

ちなみに私は“昔のプロは、案外上がりやすいロングアイアンを使っていたんだな”と、再認識しました。ぶっ飛び系といわれる最新ディスタンスアイアンの7番みたいな4番なのですから、自分が打てたのも当然だと。

エピックスターアイアンには、4番アイアンはありません。なぜなら、5番でロフト設定が20.5度だからです。70年製スポルディングでいうなら2番アイアン相当です。この47年で、2番アイアンを一般ゴルファーでも平気で打てるようになっている。そう捉えることもできるのです。

高梨祥明:ゴルフ雑誌のギア担当副編集長として長年、ゴルフクラブ、ボールの開発現場を取材。2013年に独立し、フリーの編集者・ライターに。オリジナルグッズブランド“CLUBER BASE”を立ち上げ、「TURF AID BAG」などのゴルフグッズを生み出している。

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