ゴルフツアーを追いかけて世界を旅する月刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウ。今回は、男子ツアー開幕戦・SMBCシンガポールオープンで話題となった2018年モデルのドライバー3本に注目。果たして“覇権”を握るのはどのクラブ!?

こんにちは、ケンジロウです。今回もギアのお話です。ネットやSNS上では早くも各社の新しいドライバーの話題で持ちきりになっています。製品アピールの情報が先行していますが、果たして各ヘッドのその性能がいいのかどうかはこれから試合を重ねていくことでわかってくること。

男子ツアー初戦であるシンガポールオープンではその新ドライバーの覇権を巡る戦いの火蓋が切られました。

まずはテーラーメイドのM3とM4。M3はM1の後継でヘッドサイズは「460」「440」の2種類。ジャスティン・ローズやタイガーは「M3 460」を使用しているそうです。

画像: M3とM4はフェース面をねじることでミスヒットしても曲がらない“ツイストフェース”を採用した

M3とM4はフェース面をねじることでミスヒットしても曲がらない“ツイストフェース”を採用した

M4はM2の後継で、DJ(ダスティン・ジョンソン)はこちらの「M4」ですでに優勝を飾っています。

先週のシンガポールオープンの会場にはまだヘッドが「M4」しか届いていませんでした。契約選手である池村寛世プロや竹安俊也プロが早速この「M4」をテストしていたので、その感想を聞いてみました。

「クラウンの白い部分がグレーになって構えやすくなりました。振れば振るほど曲がらない気がします」(池村)

「時おり出るチーピンが明らかに減りました。キャリーが出るようになったので平均飛距離は上がっている気がします」(竹安)

芯を喰ったときの飛びは今までのMシリーズと変わらないようですが、“ツイストフェース”のおかげでミスヒットに強いようです。

画像: ミスへの強さがM4の魅力だ

ミスへの強さがM4の魅力だ

それにしてもこのロゴのカラーリングBMWの「M3」を意識していませんかね?

ピンは男女賞金王が使ったG400の460ccバージョンを投入

続いてピンの「G400 MAX」ドライバー。昨年の勢いをそのままにピンはG400シリーズの新モデルを投入してきました。

契約選手の永野竜太郎が早速テスト。彼はもともと「G400 LSテック」を使っていました。「マックス」は「G400LSテック」とノーマルの「G400」の中間の性能という感じですかね。「LSテックでときどきスピンが足りないケースがありました。マックスにして少しスピンが増えるので、安定して飛ばせるかもしれません」とはピンのツアー担当のコメント。

そういえばルイ・ウーストハイゼンも「G400マックス」をバッグに入れていましたね。ピンは契約選手がまた増えるなどして、どんどんと攻勢をかけてきますね。

画像: 日本の男女賞金王が使ったG400は445cc。このG400MAXは460ccと大型化した

日本の男女賞金王が使ったG400は445cc。このG400MAXは460ccと大型化した

「G400」の人気はまだまだ続きそうです。

最後はキャロウェイのローグ。こちらは前回もお伝えしましたが、ツアーではほとんどの選手が「Subzero」をチョイスしています。石川遼はサブゼロ、ガルシアもサブゼロというのは前回お話しした通りです。

画像: 石川遼は「ローグ サブゼロ」をバッグに入れた

石川遼は「ローグ サブゼロ」をバッグに入れた

やさしさの度合いから行くと、やさしい順にローグスター→ローグスタンダード→ローグサブゼロとなりますね。

エピックのサブゼロがローグのサブゼロよりさらに難しいクラブだったので、今回のローグサブゼロは使用者が増えるのではないかと予想できます。

以下は「ローグ サブゼロ」を実際に練習ラウンドで打った石川遼のコメント。

「すごい振りやすいですね。おかげで(今までのドライバーに比べて)5ヤードぐらい伸びています。打感もいいし。前のモデルとヘッドの重心の位置が違うので、調整しながら万全の状態で投入したいです」(石川遼)

偶然なのか、必然なのか3社ともいずれも「やさしさ」にシフトした観がありますね。各社とも今のドライバーは以下のような流れで飛ばそうとしているのではないかと思います。

「やさしい&曲がらない」→「安心して振れる」→「しっかり振り切れる」→「ヘッドスピードが上がる」→「飛ぶ」という循環ですね。振れば振るほど飛ぶので、それで今の選手は体(特に体幹)を鍛えて“振るスピード”をつけているんでしょうね。

果たしてこの戦いはどのような展開を迎えるのか? 最近はクラブを契約しない選手も増えましたから、彼らがどのドライバーを選ぶのかも注目ですね。

しばらくその行方を見守っていくことにしましょう。

写真/有原裕晶

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