重めのグリーンだとついついインパクトや振り幅を強くしがちだが、それは大きな間違い、ミス連発の引き金となってしまう。パットを専門的に研究している星谷孝幸氏は、「ロフトを多めにすることも解決策の一つですよ」と話す。著書「入っちゃう!パットの法則」から重いグリーンの対処法をご紹介。

重いグリーンはロフト多めがちょうどいい

スピードが遅いグリーンでは、打ち方をアッパー軌道に変えることが一番の解決策ですが、打ち方を変えずにパター自体を調整する方法もあります。

パターのロフトは、通常3~4度ぐらいのものが多いのですが、6~7度ぐらいにロフトアップするのです。そうすると、打ち出しでキャリーするので、重い芝の抵抗を飛び越えることができ、ボール初速が上がったぶん距離が伸ばせるのです。夏場は特に有効な手段といえます。

また、ロフトが大きいとボールのつかまりが良くなるので、右へのプッシュアウトのミスが減ります。押し出しやすい人には良い調整方法です。

アプローチでテキサスウェッジ(グリーン外からパターで寄せるアプローチ)を多用する人も、ロフトアップによってボールをキャリーさせやすくなり、花道などの芝の抵抗が抑えられるので、寄る確率がアップします。

画像: ロフトを少し多めにすることで、芝からボールを打ち出せる

ロフトを少し多めにすることで、芝からボールを打ち出せる

また、重いグリーンでは、仮想カップを遠くに設定することも上手く寄せるコツです。朝の練習グリーンで「今日のグリーンは重いな」と感じたら、普段の自分の基準よりどのくらい重いのかを検証し、仮に「30パーセントぐらい重い」と感じたら、その日のラウンドはそのぶん仮想カップを遠くに設定するようにしましょう。

その上で、ストロークのリズムを速くすること。テークバックを速くすることで、ヘッドが戻ってくるスピードも上がり、インパクト時のエネルギーが増します。ボール初速が上がり、同じ振り幅でも遠くまで転がすことができます。何度も言うように、くれぐれも振り幅を大きくしたり、インパクトを強くするというような調整方法はやめましょう。

ストロークのリズムは、基本歩くリズムですが、グリーンが重い場合は「早歩き」をイメージするといいです。

ちなみに、曲がるラインでは、当然切れ方が小さくなります。実際は1メートルでも、1.5メートルぶん打たないと届かないような重いグリーンでは、切れ方は約7割まで減少します。リズムを速くして、曲がるラインは薄く読む。グリーンが重い日は、練習グリーンでこれらをしっかりインプットしてスタートするようにしましょう。

「入っちゃう! パットの法則」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/増田保雄

This article is a sponsored article by
''.