マスターズの初日が終わり、日本期待の松山英樹、そして今大会の主役とも言えるタイガー・ウッズは1オーバー29位タイで初日を終えた。首位に躍り出たのはマスターズに抜群の相性の良さを持つ世界ランク4位のジョーダン・スピースで、松山、タイガーとは7打差をつけている。果たして松山、タイガーの巻き返しは可能か? 30年分のデータを掘り起こして、占ってみた。

2005年のタイガーと、2018年のタイガーの「奇妙な一致」

タイガー・ウッズと松山英樹は初日1オーバー。首位のジョーダン・スピースは6アンダー。その差は7打差だ。一見して「かなり大きな差ではあるが、まだまだ逆転可能な差だ」と感じられるが、ここ30年のマスターズ優勝者のデータを見ると、実際その通りであることがわかる。

この30年で、優勝者が「初日トップの選手につけられた差」、その最大打数がまさに「7打」なのだ。一人目は1990年の覇者、ニック・ファルド。初日「71」の12位タイで、トップに7打差をつけられたが、見事逆転優勝を果たしている。

もう一人の7打差を逆転した選手は誰かといえば、ほかならぬタイガー・ウッズだ。自身4度目、そして最後の優勝となった2005年は、初日「74」とつまづき、30位タイと出遅れている。今年のタイガーは初日「73」で順位は29位タイ。首位との差は同じ7打差。優勝した2005年と、奇妙な一致を見せている。

画像: 2005年のマスターズで優勝を決めた瞬間のタイガー・ウッズ

2005年のマスターズで優勝を決めた瞬間のタイガー・ウッズ

30年で2度しか7打差をひっくり返した例はないが、見方を変えれば前例は間違いなくある。タイガー、松山はもちろん、同じ順位のバッバ・ワトソン、ダスティン・ジョンソンらにもまだまだチャンスはある。

さて、初日に躍動した選手といえば小平智も見逃せない。スコアは「71」で1アンダー16位タイ、トップとは5打差。初日を終えてトップと5打差の選手は過去4度優勝しており、チャンスは十分。ちなみに、初日のスコア「71」で優勝した選手も30年で同じく4人おり、直近では昨年のセルヒオ・ガルシアが初日「71」で首位とは6打差から優勝しているから、2日目以降のプレーに期待したい。

「初日単独首位」で優勝したのは30年でただ一人。その名はジョーダン・スピース

意外なデータもある。優位に立ったはずの初日首位の選手が、30年で2度しか勝っていないのだ。「初日単独首位」で勝った選手となると一人しかいないのだが、それが誰あろう2015年王者で今年も単独初日トップに立ったジョーダン・スピース。コースとの相性抜群のスピースが大会をリードしていくのは、間違いがなさそうだ。

画像: 2015年のマスターズでは、初日8アンダーと後続を大きく引き離したジョーダン・スピースが、勢いそのまま初優勝を決めた

2015年のマスターズでは、初日8アンダーと後続を大きく引き離したジョーダン・スピースが、勢いそのまま初優勝を決めた

ちなみに、過去30年の優勝者の初日の平均順位は9.23位で、首位との差は平均3.4打。初日首位ではないが好位をキープしておくのがマスターズ優勝のためのカギと言え、今年でいえば3打差4位タイのロリー・マキロイ、4打差11位タイのフィル・ミケルソンやリッキー・ファウラーといった実力者たちは、絶好の位置につけていると言える。

優勝候補がトップに立ち、実力者たちが好位につけ、タイガー、松山ら注目選手もまだまだ十分挽回可能な位置にいる。まだまだ始まったばかりのマスターズ、2日目以降も寝不足が続くことになりそうだ。

写真/姉崎正、岡沢裕行

This article is a sponsored article by
''.