プレーをしていれば、ダボを打った、今度はトリだ、今日はもうおしまいだ! と落ち込むことも多くあるはず。しかし、「スコアは18ホールトータルで考えるべき」というのが、2005年のレッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞した増田哲仁プロ。著書「ネジらない! から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る。」からスコアが出せるマネジメント法をご紹介。

1ホールごとにスコアを「区切らない」

多くの人は、「ボギーを叩いた、ダボを打った」と大騒ぎしてしまいますが、それではプレーの流れが悪くなるだけです。広い視野も持つことができません。1ホール1ホールの結果ではなく、18ホールをトータルで考える。そういうクセをつけることで、目先のホールだけではなく、コース全体を攻略する感覚が養われてくるんです。

――そういわれても、どうしても目先のスコアを追いかけてしまうのですが、なにかいい方法はありませんか。

一番簡単な方法は、スコアのつけ方を工夫することです。具体的にいえば、ラウンド中はスコアカードに1ホールごとのスコアを書き入れるのをやめ、18ホール通しで、1打ずつスコアを数えるんです。たとえば、1番ホールを5打でホールアウトしたら、2番ホールのティショットは1打目じゃなく6打目という具合に、ホールで区切らないで、数を加えていくんですよ。これなら1ホールの結果に一喜一憂しなくてすみます。

たとえば90が目標ならば、90がパープレーという意識が必要です。それも、プラス1のボギーペースで回るとか、90を18で割って1ホールが「5」という数字ではなく、あくまで18ホールトータルで90回、という数字で考えるのです。

画像: 18ホールトータルで目標スコアを設定することが大事だ

18ホールトータルで目標スコアを設定することが大事だ

1ホール単位で考えればダブルボギーやトリプルボギーはたしかにショックですが、90のうちの6、7と考えれば、精神的なショックは軽くて済みます。最初から90回も打てると思えば気が楽だし、出だしの3ホールでダボ、トリプル、トリプルと大叩きして、「今日はもう終わりだ」と諦めることもなくなるはずです。

それに18ホールのグロスで数えていくと、1つのパットやショットでよい流れを作りやすいのです。難しいパットを沈めても、スコアがダボならガックリしますが、1打で済んだと思えば、うれしい気持ちになるはずです。「ホール」マネジメントでなく「コース」マネジメントなんですから、攻略もスコアの数え方も18ホールトータルで考えるほうが上達につながるんです。

――ツームストーンという競技方法がありますよね。自分のハンディを使い果たした段階で18ホールを待たずに競技終了。最終地点に墓石(ツームストーン)を立ててコースをあとにするという、洒落た競技方法なんですが、その発想に似ていますね。

たしかにツームストーンは打数をどんどん足していって、90打なら90打を打った時点で競技を終了するというものですね。このように、90打以内で18ホールを回ろう、という発想は本当に大切です。

そのために、是非、試してもらいたいアイデアがあります。スコアをつけるときにはコースで用意されているスコアカードは使わずに、なにも書かれていない白い紙と鉛筆を用意して、1打1打「正」の字でスコアを記録していくのです。これは1、2という数字ではなく、漢字の「正」であることがポイント。

多くのゴルファーは、このホールはパー4だからなんとか「4」、悪くても「5」で上がろうなどと、どうしても「数字」に気をとられてしまいがちです。そのせいで、攻めなくてもいいところで攻め、守らなくていいところで守りに入ってスコアを崩してしまうのです。「正」の字で考えれば、スコアのことを考えずに、純粋にコース攻略に集中できます。試してみてください。

「ネジらない!から遠くへ飛ぶ、ピンに寄る」(ゴルフダイジェスト新書)より

写真/山本藍

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