日本ツアーとPGA(米男子)ツアー。試合数も規模も異なるが、中でも大きく違うのはスポンサーありきなところだと、プロゴルファーでありツアー解説者でもあるタケ小山は言う。著書「ゴルフは100球打つより見てなんぼ!」から、日本ツアーと米ツアーの違いについてご紹介。

景気に左右されやすい日本ツアー

日本ツアーでは、ほとんどの試合が企業1社のスポンサードで開催されています。レギュラーツアーだけでなく、下部のチャレンジツアーも同じです。まずスポンサーありきで大会が成立している。ここが米ツアーとの大きな違いです。

1社の企業がスポンサードする現在の開催方法だと、経済が安定していて、企業の業績も好調なときはいいですが、経済状況が悪化すると、「会社の業績が悪いのに、ゴルフの試合のスポンサーなんかやっている場合じゃないだろう」と、真っ先に広告宣伝費が削られてしまいます。実際、男子ツアーは、試合数が徐々に減少し、厳しい状況に置かれています。

画像: 第1回とおとうみ浜松オープンは石川遼とのプレーオフを制した小林正則が優勝。スポンサーだけに頼らず地域密着をコンセプトに掲げたが、残念ながら2年のみの開催になってしまった.(写真は2011年のとおとうみ浜松オープン)

第1回とおとうみ浜松オープンは石川遼とのプレーオフを制した小林正則が優勝。スポンサーだけに頼らず地域密着をコンセプトに掲げたが、残念ながら2年のみの開催になってしまった.(写真は2011年のとおとうみ浜松オープン)

2011年に「みんなで作るゴルフトーナメント」をキャッチフレーズに『とおとうみ浜松オープン』が開催されました。この大会は、大企業の1社スポンサードに頼らず、地域密着ということをコンセプトに掲げた大会で、地元市民へのチケット販売で運営した、日本では珍しい形の大会でした。しかし、実際の運営は厳しく、残念ながらわずか2年のみの開催になってしまいました。

日本ツアーも、アメリカでプロの試合が始まったときのように、選手個人の力でギャラリーを魅了し、景気に左右されずに、日本に元気を与えられる存在であってほしいと願うばかりです。

「ゴルフは100球打つより見てなんぼ!」(ゴルフダイジェスト新書)より

撮影/岡沢裕行

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