今週は欧州ツアー「アイリッシュオープン」に注目。全英オープンまであと2週間に迫った中での今大会。活躍しそうな選手を、ツアー通算9勝の佐藤信人に聞いた!

今週はアイルランドのナショナルオープン、アイリッシュオープンに注目します。先週のフレンチオープン同様、全英オープンの出場権をまだ持たない選手でトップ10の中から上位3名にその出場権が与えられます。

完全にイギリス連邦から独立して「アイルランド」という国になったのは1949年ですが、まだイギリス統治下にあった1927年にアイリッシュオープンは始まりました。北アイルランド紛争などこの地域が抱えている複雑な政治的問題などの影響で大会が行われなかった年も多く、91年前に始まった大会ですが、今年で63回目になります。

この大会は2015年から冠スポンサーにドバイ・デューティー・フリーを迎えて、ホストをローリー・マキロイが務めるようになり、近年さらに世界的に注目を集める試合へと成長しています。
ポート・スチュワートで行われた昨年は当時世界2位にいた松山英樹選手の出場などで話題を集め、当時世界11位にいたジョン・ラームが2位に6打差をつけて圧勝しました。

今年の会場はバリーリフィン・ゴルフクラブ。アイリッシュオープンがここで行われるのは初めてですが、2002年に欧州ツアーのノースウエスト・オブ・アイルランドオープン、2008年にはアイリッシュ・シニアオープンが行われています。それぞれの優勝スコアが7アンダーと1アンダーということで非常に難易度の高いゴルフコースだということが分かります。7462ヤードと距離のあるリンクスコースでコースレコードが66ということからも難しさが伺えます。2週間後の全英オープンが行われるカーヌスティとほぼ同じ距離の難しいリンクスコースということで全英オープンに出場する選手にとっては良い練習になるかもしれません。

アイルランドのナショナルオープンということで今回は3人のアイルランド(北アイルランド)の選手に注目してみたいと思います。

まずは何と言っても大会ホストであるローリー・マキロイ。ホストを務めるようになってから予選落ち・優勝・予選落ちという極端な結果になっています。USオープンでは予選落ちを喫し、次のメジャーである2週間後の全英オープンへ向けて弾みをつけたいところです。バリーリフィンで以前行われたエキシビション大会ではコースレコードタイの66で回っていて良いイメージを持っています。

画像: 大会ホストでもあるローリー・マキロイ。世界ランクは現在8位と、本来の実力からすると少々物足りない(写真は2018年のマスターズ 撮影/姉崎正)

大会ホストでもあるローリー・マキロイ。世界ランクは現在8位と、本来の実力からすると少々物足りない(写真は2018年のマスターズ 撮影/姉崎正)

次にグラエム・マクドウェル。今年の全英オープンの出場権をまだ持っていないマクドウェルは当初火曜日に行われたファイナル予選会に出場する予定でした。先週パリから飛行機で移動してきた際に彼のゴルフバッグがロストバゲージ(編注:荷物の遅延・紛失)になり、この予選会にクラブが間に合わず、サブのクラブでは100%の力は発揮出来ないということで欠場を決めました。今週と来週のスコティッシュオープンのどちらかで出場権を獲得したいところです。悪いことの後は良いことがあるということで今週のマクドウェルに期待しています。

そしてアイルランドの若手ポール・ダン。まだアマチュアだった2015年、セントアンドリュースで行われた全英オープンで3日目を終わって首位タイにつけ、最終日を最終組でプレーしたことで話題になりました。プロデビュー戦となったダンヒルリンクス選手権の初日ではいきなりホールインワンを決めて首位に立ったり、昨年初優勝のときは先にクラブハウスリーダーで上がっていたマキロイの目の前でド派手なチップインを決めての優勝など、大きな舞台で大きなことをする選手という印象です。

連戦で臨む日本の谷原秀人・宮里優作両選手にエールを送りながら、初めて見るバリーリフィン・ゴルフクラブでの熱い戦いを楽しみに見たいと思います。

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