2019年から施行される新しいゴルフ規則。一般ゴルファーにも大きな影響があるが、プロにも当然影響大。というわけで、PGA(日本プロゴルフ協会)がプロを対象に専門の競技委員によるルールの研修会を実施。それに参加したプロゴルファー・中村修が、ポイントを分かりやすく解説!

新たに「ティイングエリア」になる

今回のルール改正は過去にないほど大規模で、一般ゴルファーも頭に入れておくべきポイントがいくつかあります。その中で、今回はゴルフ場の「名称変更」に絞ってお話ししたいと思います。

タイトルは「ティグラウンド(正しくは、ティインググラウンド)がなくなる!?」とちょっと大げさになっていますが、もちろんティショットを打つエリアがゴルフ場からなくなるわけではありません。名称が、「ティーイングエリア」に変更になるんです。

画像: 「ティショットを打つ場所」の名称が、2019年から変更になる(撮影/姉崎正)

「ティショットを打つ場所」の名称が、2019年から変更になる(撮影/姉崎正)

そもそもゴルフ場は、これまでティインググラウンド、バンカー、ウォーターハザード、パッティンググリーンと、それ以外の場所を指すスルーザグリーンの5つのエリアで構成されています。そのうちの3つの名称が、変更になるんです。

ひとつが先に挙げたティインググラウンドからティーイングエリアへの変更ですが、他にもウォーターハザードが「ペナルティーエリア」、スルーザグリーンが「ジェネラルエリア」となります。バンカーはバンカーのまま、パッティンググリーンもパッティンググリーンのままです。

「ペナルティーエリア」はソールしてもOK

さて、変わったのは名称だけでなく、それぞれのエリアごとのルールにも変更のある場合があります。まずはバンカー。なんと、バンカー内のルースインペディメント(石や木の葉などの自然物)を罰なしで取り除くことができるようになります。

ボールの手前に石があったりすると、クラブを傷つけたり、飛んで行って人に当たる心配があることもありましたが、そんな心配から解放されることになり、ゴルファーとしてはありがたいルール改正です。実際、海外の試合ではローカルルールですでにOKな場合もあり、外国人選手が日本の試合に出てうっかり石を拾ってしまう、なんてことも過去にありましたが、そんなこともなくなります。

また、バンカーからは2罰打を加えたらバンカーの外にドロップできるようになりました。全英オープンなどでは狭くて深いポットバンカーから出せずに大叩きする選手が毎年必ずといっていいほど出ますが、もしかしたらそんな風景も見られなくなるかも。それはともかく、バンカーからいくら打っても出せない初心者ゴルファーを救う、いい規則になりそうです。

画像: バンカーからは2罰打で後ろに出せるように。全英オープンでもこのルールを適用する選手が出るかも!?(撮影/姉崎正)

バンカーからは2罰打で後ろに出せるように。全英オープンでもこのルールを適用する選手が出るかも!?(撮影/姉崎正)

最後に、現在はウォーターハザードと呼んでいるペナルティーエリアですが、2019年からはバンカーと異なりクラブを地面に着けてもOKになります。ジェネナルエリアと同じ規則でプレーすることができるんです。

会場では、「ウォーターショットの場合はどうなんだ?」という質問がありましたが、水にソール(クラブを着ける)してもOKとの見解が示されました。ただ、ウォーターショットの場合の素振りはどうする? それでボールが動くか動かないかの判断は誰がする? など、今後微調整が必要になる気もちょっとだけします。

ルールというと「破ったら罰があるもの」という印象を持ちがちですが、実はゴルファーを救済するためにあるという側面もあります。その他の変更点についても、おいおい論じていこうと思います。総じて分かりやすく、簡潔になっているので、しっかりと頭に入れておいていただきたいです。

This article is a sponsored article by
''.