「大東建託・いい部屋ネットレディス」で初日から4日間首位争いをし3位タイで終えた2000年生まれのアマチュア安田祐香。4日間の飛距離も全体の14位と魅力的だが、パーオン率は約85%で全体の2位と凄まじい数字を残している。そのスウィングをみんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファー中村修が解説する。

6月のサントリーレディスに続き、またもプロの試合で優勝争いに顔を出してきた安田祐香さん。高校3年生ながら、そのショット力は高く、パーオン率はプロの試合で84.7%と驚異的な数字を記録。彼女より上だったのは、プレーオフまで進んだツアー最強レベルのショットメーカー、イ・ミニョン選手だけでした。

画像: アマチュアの国別対抗戦・トヨタジュニアゴルフワールドカップでは個人戦で1位タイを記録(写真は2018年のトヨタジュニアゴルフワールドカップ)

アマチュアの国別対抗戦・トヨタジュニアゴルフワールドカップでは個人戦で1位タイを記録(写真は2018年のトヨタジュニアゴルフワールドカップ)

昨年の日本女子アマを制し、プロの試合でもいつ勝ってもおかしくない雰囲気を持つ安田さん。彼女のスウィングのどこがスゴいのか、分析してみましょう。

オーソドックスで基本に忠実なアドレスとグリップ

まずアドレス(画像1)ですが、姿勢がきれいで非常にオーソドックスです。そこから手首のコック(手首を親指方向に折る動き)をあまり使わずに肩のラインをしっかりと回しながらバックスウィングしていきます。

おそらく、プレッシャーの中でも飛距離と方向性を出すために、手先を使わない意識で振っているのでしょう。リズムも一定で最終日のバックナインでも最後まで崩れない印象を受けました。

画像: 画像1/オーソドックスできれいなアドレス(写真は2018年のサロンパスレディス 撮影/姉崎正)

画像1/オーソドックスできれいなアドレス(写真は2018年のサロンパスレディス 撮影/姉崎正)

切り返しからダウンスウィングを見ると、左肩の開きが抑えられているのが良い点。画像2はハーフウェイダウンのポジションですが、すでに腰はアドレスの向きに戻ってきているのに、胸と手元は右足方向を向いています。下半身が先行し、腕は胸の前にある。理想的なダウンスウィングのポジションに位置しています。

画像: 画像2/左肩の開きがおさえられていて、下半身が先行し、腕の振り遅れもない。理想的なダウンスウィングといえる(写真は2018年のサロンパスレディス 撮影/姉崎正)

画像2/左肩の開きがおさえられていて、下半身が先行し、腕の振り遅れもない。理想的なダウンスウィングといえる(写真は2018年のサロンパスレディス 撮影/姉崎正)

下半身の回転が先行していながら、左足がしっかりと踏ん張っています。そのことで体の左サイドに“壁”ができ、左肩が開かずに、しっかりとインサイドからボールをとらえ、ボールに力を伝えることができています。余談ですが、アマチュアゴルファーでスライスでお悩みの方は、画像2の位置で左肩が開いているかどうか、自撮りをして確認してみるといいでしょう。

さて、続いては画像3のインパクト直後の写真を見てください。フェース面は超がつくほどスクェアで、インパクトゾーンが長くボールをしっかりと押し込めていることがわかります。左腕とクラブが一直線になっていることからも、しっかりとボールにエネルギーが伝わっていることがわかる、非常にいいインパクトです。

手先ではこのインパクトは作れません。下半身のエネルギーと、体幹の動きを使った再現性の高いスウィングだからこその、正確かつパワフルなインパクトと言えます。ツアーでのパーオン率2位は偶然では起こりえませんが、このインパクトならば納得がいきます。

画像: 画像3/左肩が開かないので、インサイドからボールをとらえることができる(写真は2018年のサロンパスレディス 撮影/姉崎正)

画像3/左肩が開かないので、インサイドからボールをとらえることができる(写真は2018年のサロンパスレディス 撮影/姉崎正)

非常に細身に見える安田選手ですが、この画像を見ると上半身はたしかに線が細いものの、下半身の筋肉はしっかりとついていることがわかります。

来年のプロテスト受験を公言している高校3年の安田選手。まだ17歳と若く、この先プロスポーツ選手の体作りをしていけば飛距離、精度ともにさらに磨きがかけられ、大きな活躍が期待できる選手になるでしょう。

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